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燃える地の果てに〈下〉 (文春文庫)

価格: ¥620
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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ギターに隠された歴史 ★★★★★
1966年1月17日の米軍機墜落事故(実話)を背景にした大スペクタクル(スペインのアルメリアのパロマレス村上空で米軍戦略爆撃機(B-52)と空中給油機(KC‐135)が衝突墜落、パラシュートと共に落下した核爆弾(4基)広島型原爆5千個分に匹敵。1基は無事回収、2基は放射線物質が飛散、残り1基が見つからない)。事故後のパロマレス住民の困惑と米軍、スペイン政府の対応、ソ連スパイ暗躍と逢坂剛氏独特のギターに隠された歴史、ファラオナの出生の秘密等々の仕掛けに一気に引き込まれる。冷戦構造と安保条約、核事故と危機管理をめぐる情報戦略、ギター製作の職人技、等々、いろんな視点から興味深い。
作者のベスト ★★★★★
1999年版 このミス2位(1位レディージョーカー、3位理由、4位屍鬼、というすごい年!!)
2000年文春ベスト10 1位

スペイン・フラメンコ・ギター といえば作者の3点セットと言っていいくらい得意の分野であるが、おそらく、この作品がベストだろう。
個人的には、本作、「百舌の叫ぶ夜」。「カディスの赤い星」が作者のベスト3だと思っている。
本作品を初めて読んだときの驚愕は忘れることができない。まず自分の記憶を疑い、次に誤植を疑ってしまったほどである。しかしながら、この作品をこのトリックのみで語ることはできない。事故で失った原爆を秘密保持のために回収しようとするアメリカと、秘密を盗もうとするソ連、そしてはからずも巻き込まれてしまった日本人ギタリストとスペインの小さな村の人々という、わかりやすい設定の中で、魅力的な登場人物を登場させ、長い作品ながら読者に飽きさせない。作者の積み上げた技の詰まった、円熟味のある作品といえよう。
残念ながら、この作品以降、突き抜けた作品がない。今後の作品にも期待したい。