A Short Guide to a Happy Life
価格: ¥1,798
「私は、人にアドバイスをするような職業や教育に特別向いているわけではない」。著者アンナ・クィンドレンは、ページ数こそ少ないが、愛情あふれるこの人生の教訓書の冒頭で打ち明けている。「自分の狭い交友範囲の中では、私がトマトソース作りの名人であること、それに赤ちゃんのいろいろなだっこのしかたを編み出したことは有名だ。ただ、ここ何年間も、そういった方法を試すチャンスがないだけなのだ」
まさに、こういったごく日常的な知恵のおかげで、読者にクィンドレンへの信頼と敬意が生まれている。彼女は小説家としての豊かな表現力に加えて、率直で誠意ある語り口で、すてきに生活していくヒントを読者に示してくれるのだ。「人生とは一瞬一瞬の積み重ねだ。一面に広がった、ぴかぴか光る灰色のセメントの中にある、雲母の小さいかけらのようなものなのだ」。そのあと、彼女は読者にこう促している。「赤ちゃんの耳に生えているうぶ毛を見てごらんなさい。裏庭で太陽の日差しを浴びて、読書をしてごらんなさい」。本書は、芸術品のような楽しい写真が満載で、「ギフト用美装本」といった印象だ。だが、それにだまされて買ってしまったと恥じ入ってはいけない。本書は、読みたいときにすぐ手に取れるよう、ずっと居間に置いておきたい1冊であり、何世代にもわたって大切に読み継がれていく1冊となるだろう。