山田方谷の実像はほとんど判りません。
著者の考えが羅列しえあるだけで、山田方谷の名前を借りた自己ＰＲと感じました。

知人に薦められて即オンライン購入したが、著者は衆議院財務金融委員長であることだけでも十分注目に値すると思う。冒頭「陽明学」に通じる「理財論」とともに紹介された方谷（江戸時代備中松山藩の財政改革者）の言葉「君子は義を明らかにして利を計らない」、「ただ政道を整備して政令を明確にするのみ」が印象的。また「財政再建は、事の外に立つ議論の下に進められなければならない」という言葉も教訓に富んでいると思う。国家の財政再建のみならず企業再生にも通じるものがあると感じつつ興味深く読み進んだ。今後の金融委員会の議論と財政再建の進展に注目したい。