インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

沖縄に死す―第三十二軍司令官牛島満の生涯 (光人社NF文庫)

価格: ¥650
カテゴリ: 文庫
ブランド: 光人社
Amazon.co.jpで確認
牛島満将軍の一生を読みたかったが。 ★★★☆☆
軍人・軍属の戦没者9万5千人、沖縄県民犠牲者15万人以上(本書終章)の沖縄戦。ガダルカナルもインパールも硫黄島もどこもかしこも悲惨であったが、やはり忘れてはいけないのは沖縄戦である。第32軍の守備作戦動向を知りたく、まずは高級参謀の八原大佐について「沖縄悲運の作戦」(稲垣武氏著)を読み、そして本書を読んだ。そもそもが副題に司令官牛島満の生涯とあるから本書を選んだが、誕生から陸大卒業までは2ページのみの記述であり、本文中も牛島司令官を褒め称える表現ばかりで、司令官としての考え、行動、日常、そして苦悩が描ききれていない。途中から最後まであまり登場していないという印象が強い。山本義中中尉と金城ヨシ子さんや仲順よし子さん達に取材した大変に悲惨な戦時状況の方が印象深い。また前述の「沖縄悲運の作戦」は八原博通大佐の生涯を描いた書であり、当然に八原大佐を賞賛し、一方で本書は同じ第32軍航空参謀だった神直道中佐や、奥田少佐の取材であり、八原大佐への評価は非常に批判的である。また比島決戦と台湾・沖縄の戦力配備で、第9師団の引抜きが沖縄戦の重要なファクターであるはずだが、第32軍内での検討、八原高級参謀の台北会議出席については4ページの記述のみである。これにもがっかりした。第32軍は牛島司令官の下に長勇参謀長、八原高級参謀という個性豊かすぎる部下を持ち軍内の意思統一と調和には大変苦労したであろうが、牛島司令官の温厚さだけが取柄で持ったのか。牛島中将は全てを部下に一任、長中将が押印した書類にはそのまま承認、後は自らが責任のみ負うという管理運営手法。これは危険であり、沖縄戦の結果を左右したことであろうし、最後は自分が責任を取って切腹して全てが終わるのだろうか。

最後に第32軍幹部の最期を以下記録しておく。司令官牛島満中将(陸士20期、昭和20年6月20日付で大将に)6月23日自決、軍参謀長長勇中将(28期)6月23日自決、八原高級参謀作戦主任(35期)帰国、木村後方参謀(36期)戦死、神航空参謀(44期)帰国、薬丸情報参謀(48期)不明、三宅通信参謀(48期)戦死、長野作戦補佐参謀(52期)不明、雨宮巽中将第24師団長戦死、鈴木繁二少将独混第44旅団長戦死、和田孝助中将軍砲兵集団司令官戦死、藤岡武雄中将第62師団長自決、中島徳太郎中将歩兵第63旅団長自決、有川主一少将歩兵第64旅団長自決、上野貞臣第62師団参謀長自決、大田実少将海軍陸戦隊司令官と参謀6名自決。

 
生きている人々 ★★★★★
戦争の惨劇を今も残す島、沖縄。そこでの地上戦の悲惨さは誰もが知るものですが、ではなぜそうなったのかはあまり知られていないところです。

一説には、日本陸軍のせいだと叫ぶ人もいるでしょう。しかし、この本では総大将牛島満の人柄と苦悩、参謀長と副官の対立などがとてもよく書かれています。少なくとも牛島満氏が考えた事は、「日本人を守る」ということでした。

沖縄戦は、日本軍の島民避難作戦や迎撃作戦の失敗があり人々は戦闘に巻き込まれました。しかし、米軍の非人道的な爆撃なども見逃す事はできません。公平な視点でこそ「戦争の意味」が判るのではないのでしょうか。
この本は、人間の苦悩と悲しみそして責任について考えさせられました。