野口先生の本質が理解出来た本でした。
★★★★★
月がおくゆかしく、光り輝く様は、
日の光あっての美しさです。
日の光は眩しすぎて凝視出来ませんが、
月の光は心の奥にも響いてきます。
そんな野口先生という方を理解する上で、
かけがえのない一冊になりました。
欲求を実現する力
★★★★★
野口整体の創始者である、野口晴哉の妻である野口昭子が、彼の話や彼と過ごした日常ををまとめた作品である。
野口晴哉がどのような人物で、どのように生きてきたかを、妻であり弟子である昭子の視点を通して繊細に描かれている。
「僕は子供のころ、金もなく、何もんかう、自分の心以外に、全く頼るものがなかった。」
彼は厳しい時代に生まれながら「その心を、明るい方へ向けて拓いてゆこうと決心」し、
どんなに困難が降りかかっても、前向きに、自分の思うところを疑わなかった。
「ここまで来たら、やるだけ。念ずれば現ず」という言葉にもあるように、彼の想いの実現力には圧巻される。
できると信じている、というよりできることを疑わない、のだ。
いつも目が輝かせ、欲求に向かっていることが分かる、それくらい自分の決心を信じていた。
夢を叶え、欲求を実現するには、強く実現を願うことが必要であり、
晴哉のようにまっすぐな気持ちで自分の気持ちを見るようにしよう、と思った。
彼の生き方に刺激を受け、自分も強く前向きに生きていこうと思わされる本である。
恋人や仕事に,彼ほど真摯に向き合えているか?
★★★★★
整体理論を固めた野口晴哉の生き様が書かれた本.
純粋に,彼の姿勢が格好良い.
まず,彼の特徴は,以下の2点に集約できる.
1点目は,あれやこれやと考えず直感を信じていること.
2点目は,どんなときも目の前のことに全身全霊を尽くすこと.
彼はこれらの特徴に伴って行動しており,特に,誰に対しても正しい答えを渡そうとする姿勢が格好良い.
本の中で,孫に対して接する様子が描かれている.
彼の理論では,子供は特に心と体の繋がりが大きいため,心にちょっとでも傷がつくと体調を崩すらしい.
そのため孫が「おもちゃが欲しい」と言っても,それは本当におもちゃが欲しいのか,
それとも別のものを望んでいるのかよく観察して,孫の意を曲げない様にうまく言葉を返していた.
自分が親になったときに,それだけ子供を観察できるだろうか,
また,自分の友人や恋人に,それほどきちんと向き合えているだろうかと,自問してしまった.
孫に対してでなく,著者である妻に対しても,道場の弟子に対しても,
同じように良く観察した上での言葉のやりとりが描かれている.
その中から,彼の真摯な姿勢を読み取って欲しい.
文章から伝わる野口晴哉の人柄
★★★★☆
十代の頃から整体を通して多くの人々の関わってきた野口晴哉を、
妻が様々な思い出を元に描き出すまさに「回想録」。
様々なエピソードを元に、野口晴哉の常人とは一線を画した人柄が伝わってきます。
中でも、強盗に包丁を突きつけられても、夜道でピストルを向けて脅されても、
それでもなお落ち着いて対処する野口晴哉には脱帽しました。
物事を深く観察しその本質を感じることができれば、
何事にも焦る必要はないということなのでしょう。
文中の野口晴哉の言葉からも、ゆったりとした、
それでいて物事を鋭く見抜く彼の人物像がするすると頭の中に入ってきました。
野口晴哉についても、野口整体についても、
全く知識がない状態だったので、先入観無く読めたことも大きいのでしょう。
また、作者も言うように、
野口晴哉の人を動かす才能(これも観察によるものということですが)を、
心底うらやましく思いました。
「頭ごなしに命令してもひとは動かない」
「その人自身が動こうとしなければ意味がない」
「自然にそうなるよう、ほんの少し手助けしてやればいい」
理屈としてはいとも簡単ですが、
果たしてこれを実際に行える人が世の中に何人いるでしょうか?
最後に。
野口晴哉の死後、次男・裕之が父の世界観、すなわち「全生」について説いた、
「私たちは、いつ死んでもいいように、
自分が全力を発揮して、一瞬一瞬、生きてゆけばいいんです。」
という言葉が印象的でした。
偉大な人物
★★★★★
この人の考え方を読んでて、なるほど!!と何回も思わされていました。
たくさんの語録もあり、読めば読むほど引きずり込まれていきます。
「体癖」という言葉を僕は初めて聞きました。
種類が12種類あってこの「野口晴哉」みたいな、不思議な人は9種にあたるそうです。
そしてこの本の著者、妻の「野口昭子」は上下型1種・2種。
上下型は何かする時は、まず考え、納得してから行動に移すタイプ。
自分は絶対に上下型だな。
すぐに不安を言っちゃうのも上下型。
人の目を気にするのも上下型。・・・うん,自分だ。
だからなのかな?
この「野口晴哉」という人の生き方がすごくかっこよくて、憧れます。
「俺の世界はおれの周りを廻る。俺は此処にいる。動かない。」
脱帽ですね。
この人の物事のとらえ方は本当にすごい!!
いろんなところを見習っていきたい。