忠臣蔵というドラマは、過去一体どれだけ作られてきた事か？
観る側としては「今回はどこが一番の見所か？」と思いながら、
脚本、その他作り手の創りたかった「想い」を感じながら観たいと云った人も多いと思う。
否、大体がよく知られた物語なだけに、それしか無いかもしれません。笑

この作品は全体的に「押える所を押えて」円満にまとめ上げた感じもありますが、
「松の廊下の刃傷事件」時に、浅野内匠頭を間際で抑え込んだ人物を「どう観るか？」を取り上げていた所が目につきます。
「そこが以前からひそかに不思議に思ってた…」という方は、今作は見所があって良いのではないでしょうか？

過去のどの忠臣蔵も、
大石役にあたる役者陣は誰であっても「演技の技術」が非常に高く持っておられる人ばかりが演じられておりますので、
役者への仮に好き嫌いがあっても、そこは観ていて「技術」で納得させられるだけのものがあるもの。
松平健さんにあっては…「同性でもある男性（特に彼と同世代の世のおじさん達）」にはどちらかと云うと正直あまり人気が無いかもしれません。
どこか落ち着き払った「クールさ」がハナについてしまうのがその理由かも知れませんが
…しかしながら、さすが松平健さんの大石にも、確かに誰にも納得させる「何か」を表現してみせると云った「光彩を放つ」ところがあります。

全体的に「映画的」というよりかは、
普段馴染みのテレビでしている「テレビドラマ時代劇」風に感じられる作品。
そういう意味では安心して観られる作品だと思います…。

お金にも時間にも余裕があり（笑）、年末年始の歌番組に飽きた方…どうですか？

個人的に配役が好みでなくとも、「忠臣蔵」という時代劇に陶酔できない人でも、
DVD-BOXのディスクが１枚、また１枚と進むたび、不覚にも頬をつたう涙が溢れて
いる自分を発見することになります。
過去、あらゆる角度から再構成、演出され、無数に映像化されたあまりにも有名な物語
である「忠臣蔵」ですが、このテレビ朝日開局４５周年記念ヴァージョンは、一話毎の
精緻なストーリー展開もさることながら、一見通常のテレビ時代劇を連想させるような
おなじみの役者陣を配した上で、その予想をみごとに裏切って見せつける演出と細部ま
で計算された役者の卓越した演技力、そして、重厚なセットに支えられながら、さらに
その全体を包み込むように流れる荘厳なテーマ音楽の融合に、テレビ番組という領域を
遥かに超越した映像美を堪能することができます。
これはもはや、過去の映画作品をも凌ぐ奇跡の完成度を作り出しています。特に、それ
程有名ではない脇の役者の演技は、役どころの魂が入り込んだかのような、観る者の心
に深く残るものがあり、ここにホンモノの赤穂浪士とその時代の息吹を現代に蘇らせた
「忠臣蔵」を観ることができます。

今まで多くの人が大石役を演じていましたが、松平健さんは非常に重厚に演じており、かなり見ごたえのある作品になりました。他の方の大石と比べても一、二を争う出来栄えではないでしょうか。
一つ一つの場面も丁寧に作られているのが感じられ、他の共演者の演技もそつがなく、まとまりのある作品に仕上がっています。音楽も素晴らしいのではないかと思います。

忠臣蔵という作品そのものについての評価はもはや言及するまでもないと思いますが、「この忠臣蔵」は全体的にクオリティが高く、重厚な雰囲気をかもし出しています。
キャストについては、やはり松平健さんの貫禄ある演技に目が行きがちですが、登場するほとんどの役者さんの演技が素晴らしく、「ちゃっちさ」が感じられません。
忠臣蔵をドラマしたものは数多くありますが、この忠臣蔵は非常にお勧めです。

テレビ放映を一度観たというのに、要所要所では涙を押さえられません。テレビではCMを挟むので少し興ざめしてしまった部分もあったので、CMなしで観るとまた雰囲気が違います。
忠臣蔵は定番中の定番ですが、豪華キャストで丁寧に描かれた忠臣蔵を是非色んなひとに楽しんでいただきたいです。
義理や忠義といった日本文化のいい部分を垣間見れるよいドラマだと思います。主君のあだ討ち、という大きな目標への過程に色々な人間の思いやドラマの絡まった、見た後になにがしかの感動があると思います。