昔、このアルバムが出るまでは、メタルマニアのひとたちは、「俺、実は、GBHなんか、
好きでさ...」なんてことは非常に言い出しにくいことだったんですね。逆にハードコア
パンクのひとたちが結構かっちりした曲なんて作ろうものなら、「変節」の一言で
断罪だったわけなんです。
今となっては上手く伝わるかどうか分からないのですが、リスナーを含めた、とてつも
ないライフスタイルの溝を埋めたのがこのアルバムだったわけです。両方のファンが、
「何か違うけど、好き」と言えるど疾走感とジャキジャキのギターサウンドが売り。
曲/パフォーマンスのクオリティが高いため、古さは感じません。中東問題や移民
増加の問題なんかを取り上げてますが、「めっちゃ、胸くそ悪い」というメッセージな
ので、時代背景を知る必要は全くありません。当時、ソフトなLAメタルなんかが流行っ
ていたので、「男なら、MoshやHead Bangingをせいや」という"Fist Banging Mania"
には背景知識が必要でしょうか。メタルのお兄さんの間では"Poser"という言葉が流行っ
ていましたね。でも、この曲のメッセージも、「何か、胸くそ悪い」です。
21曲目までがオリジナルアルバム収録だったと思いますが、強烈にすぐ終わる曲を含め、
ここまで一気に聴き、脱力して下さい。繰り返し聴けるアルバムですよ。お勧めです。