Top O' the Morning/His Irish C
価格: ¥668
ビング・クロスビーはアイリッシュ系とあって、1940~50年代にアイリッシュ・ソングを多数録音したが、本作はそれらの曲を集大成、96年に発表されたアルバム。
49年のパラマウント映画“Top O' The Morning”(監督デヴィッド・ミラー)は、保険会社の調査員に扮したビングが盗まれた宝石を追ってアイルランドを旅し、そこで出会った女性と恋に落ちるというコメディだったが、<1><14>はその映画で歌われたナンバー。また<8>は44年にビルボードのヒット・チャートの4位にランクされたヒット曲だが、その後再発されたことがなく、約半世紀後にこのアルバムで日の目を見た。日本でもっとも有名なアイリッシュ・ソングは、たぶん「ダニー・ボーイ」だろうが、もちろんそれも歌っている。それ以外はなじみがないかもしれないが、バラード調の素朴なメロディはどれも心に優しく響く。
ビングは53年に出版された自伝『Call Me Lucky』で、「ぼくは歌い手じゃない、語り手なんだ」と書いているが、この歌声を聴いていると、なるほどと思う。(市川正二)