「万葉集」は、茂吉の「万葉秀歌」や池田弥三郎の「万葉百選」や犬養万葉そのほか、いろいろと選集を、何年かに一度読んではきましたが、今年の目標としてとにかく全部に目を通そうとしています。そんなとき、関連する人々、地図、年代、事物などの参考書があるといいなと思っていたところ、この「万葉集事典」を見つけ、購入いたしました。今はこれを傍らにおいて万葉通読中ですが、本当に役立っています。おかげさまで、万葉時代を体系的・組織的に捉えることができつつあります。

現代の万葉学第一人者中西進全訳注原文付き４巻および別巻として万葉集辞典があります。

万葉集すべての歌について読み下し、原典校訂、注釈、現代語訳がされており、万葉集を全て読んで見たいあるいは研究したい人に最適です。この、別巻の万葉集辞典がかなり役に立ちます。同じ作者の作品あるいは恋人、愛人などの作品が検索できるし、日本書紀に出てくる登場人物と照らし合わせながら歴史を探ることも可能です。特に、穂積皇子と但馬皇女、高市皇子と十市皇女等の関係、背景などを調べて行くと、頭の中でいろいろ考えを巡らしているうちに涙を流すことがあるほどです。

万葉集　全訳注原文付1～4とセットで持つととても良いです。素晴らしいガイド。