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冷血 (新潮文庫)

価格: ¥987
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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不実なストーリー ★★★★★
「人間は生まれながらに不平等である」と感じさせる本である。
今の自分の立ち位置が正しいのか間違いなのかを見直すよりもただ、ただ食べて、働いて、寝るといった人間生活が出来るということに改めて幸せだと思う著書である。
真実の含有度が高くて中毒に ★★★★★
読んでいて、人間と社会の真実をかいま見ているような気になった。
カポーティの感性がえぐり取り再構成した事件は、真実(事実ではなくて真実)の含有度がかなり高くて中毒を起こしそうな小説になっている。凄い本だと思う。
あと、カバー写真が良かった。カバーなんて無くていいから、本体を安くして欲しい方なんだけれど、この写真はアメリカの雄大さともの悲しさを語っているようでハートをわしづかみにされてしまった。
確かに名作。 ★★★★☆
壮絶な殺人事件のノンフィクションでしかも古典的名作といわれてもどんな作品か想像がつかなかった。しかし、読み終わるとその説明に納得がいく。

執拗といっても差し支えないぐらい詳しく描画される登場人物たちのプロフィールに感情の動き。事件をあくまでも忠実にこと細かく書いていき、自然と小説になってしまったような作品である。

読み終わった後に爽快感が残るわけでもないし、重い気分になるわけでもない不思議な小説。そして人間の本質に近づこうとして成功している数少ない作品のうちの一つ。
文庫なのに900円近い価格で星を一つ減らす。
淡々とした残虐 ★★★★★
綿密な取材に基づいたノンフィクション作品で、作品の形態からも、そうとうかがえる。
本作品のモノクロ映画「冷血」は、犯行場面や死刑執行場面を、派手なストーリー性をもって描いているが、
本原作は、それを行わず、取材結果や事実のみを重視している。

作品が描くテーマは、非常に重い。
二人の犯人の、驚くべき残虐性と、死刑の是非も問う。

死刑の是非に関しては、結論を述べる自信は無い。
ただ、二人の犯人には、更正の余地は、全く無さそうではある。
本文が述べるには、二人の犯人は、何ら良心の呵責も無く殺人を遂行出来る「才能」を持つらしい。
しかし、犯行そのものは、綿密に行ったつもりらしいものの、実は、非常に浅はかだ。
二人には、その「才能」の程度に、かなり差がある様だ。

それにしても、作品は、こんな身の毛もよだつ犯行が行われたという事実を、極めて淡々と描く。
小説にまとめられられる過程で、可能な限り、感情論を排除するという、著者のフィルターがかかっている。
この事によって、多様な問題が、くっきりと、浮き彫りにされる。

こんな残虐な物語を、ここまで淡々と描いた著者の心理状態にまで、想いを馳せてしまう。
綿密な取材と、多層的に編み上げられたドラマに圧倒される ★★★★☆
1959年11月15日深更、カンザスの片田舎で起きた一家四人惨殺事件。事件発生以前から犯人の絞首刑までを綿密に再現したノンフィクション・ノヴェルである。
1965年に発表された作品だが、カポーティは本書の執筆に先立ち、3年を費やしてノート6000ページに及ぶ資料を収集し、さらに3年近くをかけてそれを整理したといわれている。

この作品の価値は、著者の主観を一切排除して、事件を、事件前夜から、犯人二人組が絞首台を上り詰めるまで詳細に、そして多角的に再現し、あくまで客観的にひとつの物語として編み上げた点にあると思う。実際、物語は加害者、被害者、捜査官はもちろんのこと、関係する家族など周辺の人々の会話や証言、手紙など三人称多視点で成り立っている。その多層に織り込まれたドラマは、それだけでも、読むものを圧倒する。

私はセンセーショナルな犯罪もののドキュメンタリーを予想していたが、そこにあったのは、繰り返し描かれる“家族の絆”のようなものであった。
そのあたりが本書を、40年近くたった今でも圧倒的な迫力を携えながら、読む者の心の奥底に迫ってくる名著にしているのだろう。