ボーイフレンド・ジャケット
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小説はどこにある? 人生の中に? 小説の中に?
片岡義男の小説には、しばしば作家を職業とする人物が登場する。
そして小説の中で、その作家が書いた小説が披露される、ということがしばしば起こる。いわば小説内小説だが、これはそれを徹底した作品である。
なにしろ地のストーリーよりも、小説内小説のスペースのほうが多いくらいだから。
「まるで小説だ」と口にされる時、それは人生のことをそう呼んでいるわけだが、
しかしそれを読んでいる読者が今まさに読んでいるものは人生ではなく小説である。と、いうような混乱を、この小説は爽快に駆け抜けてみせる。
【目次】
一章 見合いを半分だけする
二章 姉と夕食。そして朝食も
三章 私たち四人
四章 短編を書いた四日間
五章 編集者に会う予定
六章 真珠の雨
七章 水平線を見に来た
八章 短編になるかしら
九章 温泉へいく途中で
十章 ボーイフレンド・ジャケット
【著者】
片岡義男
1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/