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新超訳 ゲームの達人〈下〉

価格: ¥1,365
カテゴリ: 単行本
ブランド: アカデミー出版
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ストーリーのテンポ良し ★★★★☆
上巻・下巻まとめての感想になります。

まず魅力はなんといってもストーリーの展開の早さ。上巻のスピード感あふれる場面展開は、気がつかないうちに時間が経っているレベル。シェルダンが執筆した当初のページ数は出版されているページ数よりもかなり多かったらしいですが、それを大幅にそぎ落として、簡潔な文章と密度の濃い内容に仕上がっているのがよくわかります。

ただ、後半(下巻)は弱冠読むのがしんどいかな。上巻の場面重視の展開よりも、人間関係のほうにシフトしてくるので、人物同士のやりとりが途中から退屈になってくる方もいるかもしれません。なので☆4つで。

親子4代に渡って続く壮大な構成は読む価値あり、です。
ドロドロ ★★★★★
『ゲームの達人 (下)』です。
上巻に引き続き面白くて、引き込まれます。
上巻の冒頭で示されていたブラックウェル一族のキャラたちが次々と登場してきます。上巻の時点で主役交代にはもう慣れているので、世代が変わってもさほど引っかかることなく読み進むことができます。
一族が大きくなって、権力とか陰謀とか愛憎とかいったドロドロ要素が多くなってきます。一族においては女性の方が優勢ということも影響しているのでしょうけど。
振り返ってみると、上巻一番最初のジェミー・マクレガーのダイヤモンド採掘一攫千金冒険パートが一番面白かったです。
下巻は女性キャラが多めになったため、その分えっちっぽい描写も増えたかもしれません。

総括としては。
上下巻合わせて本自体はそれなりに厚く分量もあったのですが、五世代くらいあっという間に過ぎて行きました。どんなに栄華を極めても人間の一生というのは歴史の中ではあっさりと流れ去って行くもので、その中で個々の幸せを得ることができるかどうかは、富や権勢を得ることと必ずしもイコールではなかったようです。
ダイヤモンド発掘は上巻の前半がメインなので、下巻については表紙イラストがあまり合っていないともいえるのですが、これは、発掘したダイヤモンドではなく、「富の象徴」ということなのでしょう。
評価は、下巻単体としては★4.5くらいですが、シリーズ通じて★5です。
顔は性格を変える? ★★★★☆
イブとアレクサンドラを見ればそう思ってしまう。自分の顔に自身を持ったものと持たないもの。同じ顔であるのにそうも変わるのか。そして、イブの手術後の行動もそうも変わるのか。人間は内面から変えるというのではなく、外面から変えてしまうのかな。
人生のエッセンスの凝縮 ★★★★★
1883年、大いなる野心を胸に秘めたジェミー・マクレガーは、ダイアモンドの宝庫である南アフリカのクリップドリフトに着く。苦労の末ダイアモンドを得たジェミーだが、残酷な裏切りによって死の淵まで追いやられる。不屈の精神で生き続けるジェミーは、やがて復讐を始めるのだった。…

この小説のジャンルを「スリルとサスペンス」という言葉だけでは片づけられません。それこそビジネス、恋、冒険、まるで人生のエッセンスがぎゅっと凝縮されたような、贅沢な小説です。そして何より人間の恐ろしさ、非情さ。時に人間はここまで残酷なのかと思わせられてしまいます。

ジェミーの仲間で黒人奴隷のバンダという人物が登場しますが、彼の運命は南アフリカの人種差別社会に生きる黒人たちの運命でもあります。