2009
★★★★★
長い付き合いのバーニング・チキンや、KTターンストール、ジェイムス・モリソンらとの仕事で知られるマーティン・テレフェなど、曲によってプロデューサーを使い分け、米国、英国、スウェーデンで制作。アコースティック・フレーバー、レゲエ・テイスト、そしてダンサンブルなナンバーとカラフルな音作りのアルバムだが、どの曲にも、ナイーブなメロディや瑞々しいポップ感にさらなる彩りを加えるかのようなアレンジが施されており、彼女の喜怒哀楽が、ナチュラルに息づいている点が快い。とはいえ、気鋭の音楽クリエイターが結集していることもあり、聴けば聴くほどに攻めのサウンド・メイクに気づかされるのもまた事実。逆に各プロデューサーとのコラボレーションによる刺激や化学変化が、表情豊かな歌声へと昇華された部分もありそうだ。
好きで良かった
★★★★☆
ボニーピンク、記念すべき10作目を数えるオリジナル盤となる本作は、
まさしく彼女というアイデンティティーだからこそ辿り着けたネクストレベルのクオリティ。
一貫したカラーや、イメージを貫きつつ
(そしてそこが、ボニーがリスナーに対し与える安心感、言わばボニーを好きでいれば間違いない!みたいな。)
数多くのプロデューサーやミュージシャンとの共演を始め、
なにげに多様な表情を、いくつものトライアルを通し発信してきた訳で。
毎回毎回、自分の魅力的な見せ方を作り上げていくのが上手な人だなぁっと言った所なんですが、
一方でどこか煮えたぎれなさ、どこか昇華しきれてない要素も多々あったかと思います。
勿論その時々の彼女の、その瞬間の表情、は、うまく収められてはいましたし、
あれやこれやと好きなナンバーやアルバムを思い浮かべれば、数多なんですが。。
結論から言ってしまえば、この「ONE」。まさにタイトルが示唆的ですが
これまで得てきたコト、学んできたコト、昇華してきたモノ、武器として身につけてきたモノ
など、あらゆる彼女の引き出しが、こうして見事に一枚のアルバム作品として、身を結んだ!という感じ。
そして本作があまりにもナイス過ぎたからこそ、旧作たちの若干のアラが見えちゃった、という
全く持って真に贅沢な話。
それだけの、より進化した魅力が炸裂した一枚となっているかと、思われます。
とにかく一定の体温で突き進む、非常に耳心地のよろしい世界観、温度感をキープしつつ
実にあらゆるタイプのナンバーが揃い踏み。
ラヴァーズロックのビートを導入したアンニュイな「フューシャ」や、
打ち込みを多用しつつも、さわやかな人肌感もきっちり残す「秘密」、
シンプルなメロディーと、派手さや高揚さのない展開でありながら、どこかドラマチックな「妄想LOVER」
といったナンバーからだけでも見て取れるはず。
まさに適材適所で発揮させる、彼女のアイデアの宝庫の賜物!
また、ミュージックビデオと、ライブ映像を収めた同梱のDVDも魅力的!
女優貫地谷しほりの瑞々しさが際立つ、切ない「Joy」や、クリスマスライヴも最高!
(どうにかしてでもDVD付きの購入をおすすめしたい所!)
そんな見応え十二分のDVDも含め、
こうして、ボニーを好きで良かったと思わせる作品が、また一枚増えた訳です。
(ただ、ちょっと「鐘をならして」は浮いてるなぁ〜やっぱ。。)
残念ながらテイルズ主題歌の「鐘を鳴らして」のみだった。
★★☆☆☆
PS3の「テイルズ・オブ・ヴェスペリア」のOPテーマソングを聞いた流れでアルバムを聞いてみました。
が、残念ながら琴線に触れたのはやはり「鐘を鳴らして」のみでした。
他の楽曲に比しても「鐘を鳴らして」だけが飛び抜けて目立っているような印象を受けました。
こりゃダメかなと思い、前のアルバム「Thinking Out Loud」も聞いてみましたが、そちらのほうが良かったです!
円熟のキャリアが作り出した「最強の最新作」
★★★★★
BONNIE PINK10枚目の本作は、デビュー当初から持ち合わせた北欧・英国テイストなバンドサウンドから、「Present」以降で取り入れたダンサンブルな面、徐々に増えてきた日本語曲など、彼女のこれまでのキャリアが詰め込まれた集大成的なアルバムに仕上がっている。
いつもの通り、決して派手ではないが”らしい”1「Won't Let You Go」からスタートし、軽快なレゲエ風な裏ビートを刻む「フューシャフューシャ フューシャ」へ行き、ポップな英語曲「Princess Incognito」に進む冒頭の流れもいいが、レコードで言うところのB面の開始を意識したような「Rock You till the dawn」から「Fed Up」「PLAY&PAUSE」までのダンサンブルなチューンの固め打ちも捨てがたい。特に切れたラップまで披露するPLAY & PAUSEは古いファンが久しぶりに聴いたら「えっ?これがBONNIE PINK?」と驚くかもしれない。その他、草食系男子への応援歌ともいえる「妄想LOVER」や、BONNIE流のアリーナロックともいえる「鐘を鳴らして」などの曲も、今までの下地があったからこそできた新機軸だ。「Joy」や「秘密」の詩もとてもいい。強いて言えば、「Do You Crash?」や「Imagination」のようなダークで吹っ切れた曲はやや少ないというのがやや残念。
個人的には「Even So」から「Golden Tears」でさらなる高みに到達してしまったがために以降のクオリティを心配したものだが、本作でまたさらにレベルを上げ、うれしい限り。「1枚目最高!2枚目まあまあ。でもそれ以降はねえ……」というOasis症候群(Weezer症候群、日本では椎名林檎症候群ともいう)に陥らず、アルバムを出すたびごとにクオリティを上げていく(少なくとも過去と同等レベルまでもっていく)BONNIE PINKは、スピッツとともに、まさに日本のポップミュージック界の至宝とも呼べる存在といえる。古くからのファンだけではなく、良質なポップミュージックを求める人に幅広くお勧めしたい。
次はライブでやっていたようなアコースティックを集めた小作や、溜まってきたダンサンブルな曲のリミックスなどで、一度休憩してもらいたいところ。それくらい気合いが入っている渾身作。でも、PLAYはしても、PAUSEはしないんだろうな。
ひさびさにいいの聴いたね♪
★★★★★
このアルバムへのレビューすべてをざっと見ましたが、「11;秘密」をピックアップしているものはほとんどなく、私的には一番お気に入りなので、あえて書かせていただきます。
イントロのサウンドが最高です。音楽は出だしが肝心。このことは邦楽洋楽問わずすべての曲に言えることだと思います。人間、恋愛関係や友情関係など様々な出会いにおいて第一印象が大事なことであるように、楽曲も最初のイントロでどれだけ聴き手の心をつかむかが大事だと思います。
また、最初のさび「つよいこだってなきたいのさ・わらってたってないてるのさ・わたしにみせるあなたは・わたしだけのひみつ」この詩はどんな才能があろうとも人生経験積んでない人には書けません!
アルバム全体的には、前作よりもサウンド・リズムともにバラエティーに富み、飽きずに聴けるのではないでしょうか・・・。
ぼにーさんのHPによると、10;play&pause 本人のお気に入り。14;get on the bus 男性に人気らしい。定番はjoy・鐘を鳴らして・one last time・happy endingですかね。