制御で群論を使っていたはずなのですが
★★★★★
現代制御理論で、群論を使っていたはずなのですが、結果は納得できても、経過を納得していませんでした。
群論が対称性という視点で理解しようとすると、分かりやすいことがなんとなくつかめるかもしれません。
そのきっかけになるかもしれない本です。
いい本だけど
★★☆☆☆
内容は良い本だと思います。
群論という抽象的になりがちな数学を一つずつイメージがわくように丁寧に構成してあります。
ただ翻訳がひどい。
日本語として異常な、エキサイト翻訳にかけたんじゃないか、という直訳が多い。
なぜ数学の勉強をしたいのに文章を解読する作業が必要なんだと。
15章の問題演習7の数学的な内容を完全に無視したひどすぎる誤訳を前に私は読むのをあきらめました。
原著で英語の方がまだ読みやすいと思うので、こっちに切り替えます。高いけど。
読みやすい!
★★★★★
まだ群論は始めてから半年くらいで色々な本を漁りながら貪り読んでいる最中なのですが、
「雑学家」さんのレビューの通りにとても分かりやすい本ですね。
素人としては、群論って定義ばかり書いてあっても退屈してしまい、面白いページまで行き着かずに
熟睡して撃沈というパターンが多いと思うのです。
その点、概念を図で表現してくれる本書は分かりやすくていいです。
(稲葉 栄次氏の「群論入門 (新数学シリーズ 7)」、W.マグナス氏の「群とグラフ (1970年) (SMSG新数学双書〈4〉)」も好きです)
「2面体群」という概念は、私が不勉強のせいかもしれませんが初めて見ました。なるほど...
「群とは対称性を測るものである」という、まえがきの言葉には頭が痺れます!凄い!
これで、人に「群論って何?」と聞かれても説明出来ます(滅多に聞かれる事なんて無いですが...)。
やさしい群論入門書
★★★★☆
茨城大の山上滋先生がsss.sci.ibaraki.ac.jp/teaching/group/gr2004.pdf でお薦めの洋書の翻訳本がやっとでました。当然先生のHPも参考に読めばより一層分かり易いと思います。
http://ufcpp.net/study/group/group.html#subgroupをまず読んでみよう。
わずか3つの公理から驚くほど豊穣な世界への序章としてこのような本で学べるのは幸せですね。志賀先生、国吉先生の本は少し整数論の知識が必要です。それには吉田 武「素数夜曲」や芹沢先生「数論入門」がお薦めです。第11章のラグランジュの定理以降はネットで「らいおんの家」と千葉逸人のHP内の「群論は環っかの理論」と「Lie群と Lie環」の解説も素晴らしいので必見です。
群の定義は簡単で、結合法則をみたす二項演算が定義され、単位元(和に対するゼロ積に対する1)という特別な元が存在し、各元に逆元が存在すること。
こんな簡単な概念が「対称性」を記述する強力な道具であるということが驚きである。
Nを法とする合同とは整数全体をNで割った余りに関してN個の類に分けることです。天才ガウスが商でなく余り(=剰余)の方に目をつけたことがすごかった。
剰余類を考える利点は、無限個存在する数を有限個(ぐるぐる王国)に類別して考察しやすくすることにある。
群の構造分析でカギ(道具)になるのが、部分群と剰余群の概念です。部分群とは全体の群の構造と同形でその一部を与える存在です。一方、剰余群は、群の間の演算を保存する準同形写像と呼ばれる写像のこと。いわばもとの群Gの構造の多少潰れた反映といえるもの。もとの群の構造がどの程度潰れるかを示す目安となるのが、核で、別名で正規部分群とも呼ばれる。
したがって、Gの剰余群と正規部分群は一対一に対応し、表裏一対の関係にある。
同形とは2つの群の間の元の対応が、1対1で、各々の元の集合が同じ群の表をみたしていること。
準同形とは群の間の元の対応が、2対1(または多対1)で、しかし積の関係は保存されていること。写像とはレントゲン写真と同じで写真に写ったモノはもとの基本的な性質を保存している。つまり、二項演算という「代数構造」を保っている。要するに、準同形写像とは、演算を写像する前に行っても、写像する後で行っても、結果が同じになるという写像のこと。AからBへの準同形写像fをHom(A,B)で表わす。ここでA、Bはともに群または環であるものとする。
この準同形写像fで無視されるもの、つまり環Bのゼロに写されるものをfの核と云いKerfで表わされる。行列とは、長方形のマス目の中に、数、環の元なりをならべて置いた表である。そこでは線型写像や群の表現と称する。ここでは加算では可換環だが積については可換ではない。
可換群(アベール群、ガロア群)の場合には右剰余群と左剰余群は常に一致する。また有限群の場合左右の剰余群の個数は同じである。
古い本で参考書にまず列挙されない「群とグラフ」グロスマン、マグナスと「現代数学の招待」日本評論社p.17〜46の遠山啓の解説
「初めて学ぶ人のための「群論入門」」横田 一郎と、「入門入門群論」石谷 茂はメチャ分かり易いですよ。
ネットでhttp://www.math.tsukuba.ac.jp/kouseki/kmiya/miyakouseki.htmlも必見です。