人の体が求めるものを理解しよう
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普段自分が食べているものが如何に人間にとって自然でないのかを、改めて認識させられた。
フライドポテト、トンカツなどのお店の揚げ物がサクッと軽い食感になるのは何故か。工業的に安く作られたトランス脂肪酸を豊富に含むショートニングを使っているからである。トランス脂肪酸は、アメリカでは廃止の流れになっている。ポテトチップスの袋に No Transfat と大書きされている。アメリカのケンタッキーフライドチキンは、2007年4月までにトランス脂肪酸入りの油を全廃した。トランス脂肪酸を使っていないことが、消費者へのアピールになっている。しかし日本では一般消費者の認知度が低い為、食品・外食産業での取り組みが遅れている。
自分の体は、自分が食べたもので形作られている。食べ物を変えれば体が変わる。食べ物が体に影響を与えることは、一般によく知られている。胃腸の調子、肌の具合、肥満、体臭、目の疲れなどの体の問題を解決するために「○○を食べよう、△△は避けよう」と喧伝するテレビ番組や雑誌、書籍は世に溢れている。しかし人間は弱い。ブームが去るとともに食生活も元に戻す。そして改善の兆しが見えていた体も元に戻る。
生活習慣病という言葉が現れて久しい。以前は成人病と呼ばれていた。ジャンクフード溢れる世になって、子供の「成人病」患者が増えたために名前が変更された。生活習慣を変えるのは困難である。テレビの特集で見よう見まねの付け焼刃ブームに乗るのではなく、人の体が本当に求めているのは何であるか、理解して行動しなければ変わることは叶わない。本書はそのための一助となる。