社会人として、オトナとして、自分自身に生きていく覚悟
★★★★★
前作「Family」から三年振りのコーヘイ兄さんの挑戦。
豪華なフィーチャリングがまず目を引く。一見ポップな装いで、逆にコーヘイ兄さんのラップの地味さが目立つのではと思いきや、聴けば聴くほど深みにハマるリリックとフロウは健在。
今回のアルバムは等身大で生きる男の応援歌。
大人になればなるほど面白いことなんて無くなる。
でも派手なことも悪いことも出来ない、というかしたくない。
出来れば楽をしたいが、面倒なことはどんどん増える。
自分を見失いそうな現実の中で果たしてコレが正しいのかどうかさえ分からなくなる。
眉間にしわ寄せても答えなんか出ない。
だったら楽しむしかない、この現実を。
真剣に誰かを思う自分も、ハメを外してバカになる自分も、妄想にふけって現実逃避する自分も全部ホンモノ。嘘がないならそれでいい。
目の前の現実にとことん力を出し切ることが一番自分を輝かせるってことを知ってるのが大人の証。
分かっているのに腰が重い人、新しい環境に飛びだす(した)人に、コーヘイ兄さんのエスプリが届いて欲しいと願う。
昔のハンチングはもう被らない・・・
★★★★☆
前作で、どストレートなHIPHOPでコアなファン以外のリスナーの心を掴んだKJですが、本作はコアなファン以外のリスナーのために作られたかのような作品と言えると思います。つるの剛士を筆頭に多彩なゲストをフィーチャーし、過不足ない流行のHIPHOP路線の上質なJ−POPアルバムに仕上がっています。正直、メッセージがストレートすぎてひねくれモノの私には素直に聞きにくいラインが多かったのですが、マス層にデリバリーするにはこうでもしなければならないということなのでしょう。
良いか悪いかでいったら、100%良いアルバム。
好きか嫌いかでいったら、100%好きなアルバム。
できることなら売れまくってほしいと思います。
・・・ただ、「ハンチング被りゃオレの時間」と不敵にカマしていたKJが好きだったオールドファンには、アルバムの初っ端でハンチングは被らない、って言われてしまうと、やっぱり寂しい気持ちになりますわな・・・