簡単ではないのに分かりやすい
★★★★★
この本の「はじめに」を読んで、はっとした。「もう時効だと思うので白状するが、私は学部生のころ、よく友達に代返を頼んだ」とある。構造力学の授業をサボったというのだ。なんだ自分と同じジャン、という気になる。「私の場合、先生が『役に立つテクニック』を教えてくれようとすると眠気を催す傾向があった」と続くと、ふむ!とはなるが、そうだ自分も芯から理解しようとしていたのだとなり、簡単で分かりやすい本を探していたのを棚に上げて、構え直していた。かつての劣等生は、この「はじめに」でこの本を最後まで読むエネルギーを与えられた。
σ=P/Aから説いていく記述を読んでいくと、「そんなの知ってらい」という内声に「ほんとに?」と問い掛けてくるようである。豊富で分かりやす図とともに、どんどん内容に引き込まれる。
コンクリートの分野に限らず、構造力学や材料力学を学ぼうとする人、学び直そうとする人に、ぜひオススメしたい。