超一流の演奏
★★★★★
超一流の演奏というのは、こういうのを言うのだろう(先行された海外版を買って聴きました。)作曲者に意図に忠実で端正で、心の情熱を過度に表に出さず、うちに秘め、淡々と演奏していく。まずはそういう印象を受けた。
ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は、もう名演がたくさんあるが、この1枚はそこに付け加えるだけの価値がある。レーピンのソロも技術的表現的に高度である。それにまたムーティ&ウィーンフィルがいいサポートをしている。サポートというのは伴奏ではなく、こちらもオケとしての主張をすることである。それもソロより控えめに。そのソロとオケの絶妙のバランスが取れていた。音は、レーピンもウィーンフィルも一音一音大切にしており、それが本当にビシビシと伝わってくる。それでいて音は柔らかい。これからの演奏のお手本となるような演奏である。
クロイツェルソナタは、アルゲリッチとの共演。こちらも相性が良いようです。レーピンも冷静な中にも情熱を秘めており、アルゲリッチも情熱を前面に押し出すよりも知性をアピールしたような演奏で、それがうまくかみ合っている。演奏技術、そんなことは言うに及ばずです。最高です。
この2曲のカップリング「おいしい」です。協奏曲と室内楽。2度おいしい。2枚に分けたのも成功だと思います。協奏曲と室内楽の考えのブレがない。それがはっきりしました。ソロと伴奏、それは相対するもので、決して、寄り添うものではないということがはっきりし、そのなかで、両者の構築美を完成させている点で秀逸と言える。
今年一番の名盤の一枚になるのではないだろうか。