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十一代目團十郎と六代目歌右衛門―悲劇の「神」と孤高の「女帝」 (幻冬舎新書)

価格: ¥987
カテゴリ: 新書
ブランド: 幻冬舎
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知らない世代にとっては…?? ★★★★☆
私は歌舞伎を見てまだまだ日が浅いのですが、
この本は歌舞伎に興味を持った頃、歌右衛門さんがどなたなのか、團十郎と言う名前は聞いたことがある…そんなレベルで「たまたま」何かで見て興味が出たので買いました。

何も知らないからこそすんなり読めたのかもしれません。
書かれていることがそのまま真実だとは申しませんが歌右衛門、團十郎ともにどんな方なのかまったく知らない者としてはとても興味深く読めました。

私はその後、参考文献としてこの本に載っていたものを購入したりそこからまた広がったり、歌舞伎役者さんや歌舞伎そのものに対しての世界がぐんと広がりました。そういう意味で★4つつけさせていただきました。
もっと厳しくてもいい ★★★☆☆
もうちょっと歌右衛門に対して厳しいものを想像していたら、そうでもなかった。私は1980年から歌右衛門を見ているが、猫背で悪声で、阿古屋をやっても楽器はみな下手で、いったいこれのどこが名優なのか分からなかった。著者は、歌右衛門が良かったのは昭和20年代だというが、その時代の録画などはないに等しい。70年代の録画を見ても、舞踊の名手とは思えない。たとえば坂東玉三郎は50歳でも美しく、坂田藤十郎もまた美しさを感じさせたが、歌右衛門の美というのを、私は見たことがない。芝翫が巧いのはつくづく感じるが、歌右衛門にはまったく巧さを感じなかった。ここでは歌右衛門が権力となり、実は五代目の実子でないことを隠していくさまが戦後歌舞伎史として綴られているが、多くは歌舞伎を知る人には常識の範囲を出ない。なお歌右衛門が妻と性関係がなかったことも中村哲郎の説として触れられているが、自殺だったという説には触れていない。
歌舞伎は滅びゆく藝能であろう。今日、団十郎や菊五郎の大根ぶりがタブーなのかどうか、知らないが、歌右衛門が名人だったというのは、いったい本当なのかどうか。
権力闘争の背景への突込みが不足 ★★☆☆☆
筆者も記述されているように、事実関係を丹念に調べ、それに基づいた論が展開されており、納得性もあり、面白い内容です。
ただ、時代を代表する役者の覇権争奪戦について書くためには、それぞれの芸に対する姿勢についてもっと掘り下げて考察する必要があると思います。両人とも覇権を握るのが目的ではなく、自分の目指す芸を歌舞伎の本道として位置づけるために行動したのでしょう。
小生は十一代目團十郎の芸を直接見たことはありませんが、歌右衛門については最晩年ですが、その芸の極みを実感した経験があります。あの境地には、一番の根本に自分が目指す芸への求道がないと達しないと確信しています。新書版ですので、これぐらいの掘り下げ方にしかならないのでしょうが、ちょっと考察が足りないと思います。
博引旁証だが ★★☆☆☆
ともかくいろいろな本を読み、99%が親戚ともいわれる歌舞伎の世界の
複雑な人間関係を熟知して書いたことはわかります。その意味で力作。

しかし筆者には「歌舞伎を上演する人々を支配する権力構造」に対する
興味があっても、歌舞伎という演劇そのものに対する関心、すこし
言い過ぎかもしれませんが、愛があまりないように、私には感じられました。
そのため星2つです。
良く書いた!でも・・ ★★☆☆☆
昭和歌舞伎の残り香が、未だ濃厚に立ち込める現・歌舞伎座。


その歌舞伎座を舞台に活躍した、戦後の歌舞伎界を代表する2大スターのタブーを描いたこと、特に歌右衛門に関しては全面的に肯定するような“梨園記事”ばっかりの中「良くぞ書いてくれた!」という声、実はとても多いと思う。

(2大スターが共にその名跡の直系ではないことなど、知ってはいるけれど中々活字に書きにくい)

欲を言えば、何故大成駒が晩年あそこまで巨大な権力を握ったのか・・

あと一歩踏み込んだ表現や内容を書いてくれ、そしてそれらを踏まえたうえで、現在の松竹主体の歌舞伎興行について筆者ナリの考察や展望があれば、読み物としてもっと値打ちのあるものになったし、歌舞伎座建て替えに関する議論が盛んな今、出版された意義があった。

でも読み物としては面白いので、芝居好きなら読んで頂いてもまぁまぁおススメです。