現代文の勉強
★★★★☆
僕は高校三年の受験生です。
先生に勧められてこの本をアマゾンで購入し毎日少しずつ読んでいます。
この本は問題を解き進める時の考え方が述べられていく途中途中で入試問題があり演習もできます。
現代文が苦手という人もぜひ1度読んでみてください。
教養を磨くために
★★★★★
この本は、かつての重厚な文章を味わうという意味では、良書だと思います。大学生、社会人などが読んでみると、得るところがあると思いますよ。
なお、個人的な見解ということで申しますと、この本は今の入試に役立つかといえば、ごく一部の優秀な受験生を除いては、残念ながら役立たないと思います。内容がオーソドックスであること(テクニック的なものがない)、とりあげられた文章が古い(内容は重厚であり、現在の文章より好きですが)、字が小さく問題演習用には向かないことなどが、その理由です。つまり、現在の入試問題での得点力アップといった目的には、向かないと思うのです。
ちなみに、「ごく一部の優秀な受験生」と記したのは、すでに合格ラインをクリアし、余力のある人ということです。
繰り返しになりますが、この本は教養書として読むと味わいがあります。裏を返すと、半世紀前、大学受験生が読んでいた受験参考書が教養本になるのだなということであり、一抹の寂しさを感じずにはいられません。
理解しようとする姿勢と、理解しようとするための技術
★★★★★
高校のときの現代文の授業では何を学んだのか、今ではほとんど覚えていないが、不思議にある程度出来がよかった。しかし、たとえ自分が出来たとしても上手くその解法を他人に伝えにくい科目の代表が現代文のような気がする。この文庫は、そんな言葉にしづらい現代文の解法について明らかにしようとした一冊だ。
その問題と質問と解説を目で辿って考えていくと、著者の執筆意図が「問題文と質問の意図をなんとしても理解してあげよう」という姿勢を作るための一点に絞られていることが解る。その前提としての予備知識も、その知識を用いるための問題意識も、実際に読解に使う技術も、すべては出来るだけ書かれた文章の意図を理解してあげようという目的の下で要請されていることは、まず心に留めておくべきことだと思う。問題文や質問を読んでその内容を批判するように読む読み手は、現代文では半分も得点できない。かといって無批判にその内容を受け入れるべきなのでもなく、著者としては「これを書いた人はこんな風に意見を展開しているのだな」という風に幾分好意的に、しかも基本は中立的に読んでいくというのが読み手の姿勢としてはいいのだ、という風に言っているように自分は読み取った。(「男はつらいよ」で博が寅さんのことを思って言う言葉のような感じ、といえば譬えは古いか。)
十分に理解は出来ないかもしれないが出来るだけ理解してあげようとすること、そのための技術を、それこそ十分ではないかもしれないが出来るだけ伝えようとした好著だ。何かといえば誰かを裁いて責めてやろうという今の風潮の中で、とても大事な心の構えではないか、と思った。論文作成にはほとんど役に立たないだろうが、著者の解説を読む側にも理解しようとする姿勢がある程度必要という意味で、読解の実力を鍛えるのにも役立つのではないか。「高校生のための論理思考トレーニング」や「だまされない<議論力>」を併せて読めば、総合的な国語的センスを伸ばすには有効だと思う。
重要な本ですが、昔も読みにくい本でした。
★★★★☆
私も30年以上前、『増進会旬報』で勧められていたのだったかで、
買って読みました。「ただ一つのこと」をつかめ、というのは、
昔駿台で教わった藤田先生の「イイタイコト」というのと
同じですが、要するに問題文の著者が言わんとすることを
一言、あるいは一行に要約せよ、ということで、それは
この本の重要なメッセージでした。その言葉は、確かにとても
役に立ちました。しかし、それ以外についていえば、
この本の記述はとても読みにくく、日本文として
お世辞にも気持ちよく読めるものとは言えませんでした。
「ただ一つのこと」を把握することは、確かにきわめて重要なことですが、
そこがわかった上で、それ以上に現代国語の得点を伸ばすには、
多読するしかありません。しかし高校生は時間が限られていますから、
名の通った文学作品のアンソロジーになっている現代国語の参考書を
通読するのが早道だと思います。
私の頃は、旺文社の『研究 現代文』、『現代国語の基礎』、
ほかに学研、数研出版など数社から類書が出ていました。今も似た本はあるでしょう。
ということで、この『新釈 現代文』は、是が非でも全部読まねばならない本か、
というとそうは言い切れないと思います。上に述べたメッセージさえ
頭に入っていれば、この本の役目は果たされていると思います。
あまりその他のことに拘泥しない方が、特に高校生にとっては
いいでしょう。
今は教養書として読むべき
★★★★☆
受験参考書の名著の復刻。
「論の展開を正確に『追跡』して論旨を把握すること」という「たった一つのこと」を目指した一冊。そこには「人間主義」「合理主義」「人格主義」を柱とした近代社会を生きる若者たちを育てたいという教育的目標と愛情とが貫かれている。いわば現代社会のリテラシーといえよう。
穏健かつ誠実で、真の知的な姿勢の育成を目指したものだ。ただし、現代の多くの受験生に対して、受験参考書として与えるのは大いに注意が必要だ。本書はの解説は決して不十分ではないが、今日の多くの受験生にとっては、解説がより懇切丁寧な現代の参考書がよいだろう。
本書は受験を終え、のびのびと教養を求める人々に向いている。
☆☆山七幸芸堂☆☆
★★★★★
高田瑞穂/著、 筑摩書房 、2009年06月発行
価格:1,155円
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