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幽刻記―現代百物語 (竹書房文庫)

価格: ¥650
カテゴリ: 文庫
ブランド: 竹書房
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猫が啼くとき…… ★★★★★
シリーズ第2作目で,前作と同様,99話構成・短編仕立てになっています。

冒頭の第1話は,前作と同じタイトルの『猫が啼く』。
もしかすると,シリーズの第1話目として固定化されていくのでしょうか。

本作が前作とやや異なるのは,読後に「いやな感覚」がまとわりつく話があることです。連作である『クゥケケケケ』に特にそれを感じます。

また,実話怪談の性格上,きちんとした謎解きは期待できないのですが,それがなされないもどかしさを感じた話もありました。連作である『開かずの間』がそれで,因縁の存在を想像させますが,それがわからないまま終わってしまいます。

実話怪談は素材が豊富な反面,話の選定と切り口を工夫しないと読者に飽きられてしまう恐れがあると思います。
しかし,著者はこれを見事にクリアしています。

続編にも期待したいです。
新耳袋好きだった人は是非。 ★★★★☆
本書は、新耳袋第9巻に登場する警備会社に勤めていた男性その人が、怪談を集め始め、まとめたもの。

その淡々とした語り口調、戦争体験に依拠する話に漂う淋しさ、悲しさ等の内容面の共通性や、新耳袋の木原氏もサポート、アドバイスした事実を考えると、新耳袋とは兄弟といえる作品と思います。

 連作では文字通り座敷牢で起こった出来事の「開かずの間」、墓地を潰して建てた家の「青い家」、ピエロの人形が壊れた事から始まる恐怖を描いた「地下のショーパブ」、一話完結では生まれ変わりの「おぼえてるもん」、河童の出る川で溺れ死んだ事故死を綴った「河童」がオススメです。


怪異に本を介して触れているような感覚が絶妙です。 ★★★★★
竹書房より出版された同著者の「虚空に向かって猫が啼く」に続く2冊目の実話怪談集。

前回も淡々とした文章の短編をきりっとまとめていましたが、本作はそれに加えて自分の身に
起こったら実に厭な出来事に本を介して触れているような絶妙な感覚があります。著者は奇を
てらわない手堅い文章の積み上げで静かに臨場感を盛り上げてくれます。
話者からのヒアリング内容の挿入も、その社会背景・時代の空気が伝わってくるようなツボを
押さえたものです。そして話の最後の一文が後に引く余韻を残します。怪談の読後感として満
足度が高いです。

前著ともども、買って損をしない一冊です。