物語では、爆弾テロ事件、犯人の目的、主人公・岸辺の過去……と、見応えある展開が最後まで続きます。命懸けで爆破処理をするラストシーンも緊張感たっぷりに描かれているのですが、爆破シーンではその場面の描写があまりにもあっさりと描かれていたのが残念です。もう少し、怪我人の状態や爆破直後を迫力ある描写としていれば、更に物語は緊迫した印象になっただけに、この点だけが残念です。それでも、事件捜査する警察と岸辺達が少しずつ犯人像に近づく過程や犯人の最後にとった行動など、読ませる作品となっています。