続編を読みたい
★★★★☆
エリート警部、陵(みささぎ)が連続殺人事件の捜査のために、アメリカ帰りの犯罪心理分析官、空也(くうや)の協力を仰ぐ。データを読み込んでいくうちに、空也は犯人の心に同調していきやがて同化してしまう。陵は空也を現実に引き戻すためにある選択を迫られる。
おもしろかった。行き届いていてスマートな作品。でもこのごろ気になるのは登場人物の人格の境界が曖昧なこと。古都シリーズは霊感のある主人公だが、この本は犯人に同化する犯罪分析捜査官だ。他人の思考にシンクロしていく登場人物だけでなく、全体に現実感覚が薄い感じがする。物語を量産する人たちの陥りやすい状態。どうかこちら側で書いていてくださね。