曲・演奏・ボーカルの良さを再認識させられるライブアルバムです
★★★★★
ドラマ出演のせいか、2005年になって発売された1988年7月のツアーの様子を収録したライブアルバムです。88年といえば、バブル真っ盛り、安全地帯も全盛の頃で、女性観客の乗りに乗った歓声が、それを裏付けます。
とはいえ、このアルバムを上質のものにしているのは、やはり、玉置浩二の作る曲の良さ、彼の歌唱力、そしてそれを支えるメンバーの演奏力です。日本のバンドはオリジナルアルバムは良くても、ライブの演奏が物足りないケースも多くありますが、彼らの場合、ライブの臨場感・盛り上がりも重なり、オリジナルアルバムより出来がいい曲も多数あります。
楽曲的にも、有名なシングル曲はもとより、アルバム収録の名曲を、多数、演奏しており、安全地帯入門にも適したアルバムです。
バンドも世の中も、バブルの絶頂
★★★★☆
正直に白状すると、当時男として安全地帯のファンだと公言するのは憚られました。それ程までに女性からの人気が圧倒的だったからで、マーケッティング上も過度にセクシーな衣装、メーク、歌唱法を採用していました。本盤でも、すさまじくヒステリックな歓声が全編を通じて聞かれます(女性ファンの皆さん、ゴメンなさい)。
さて本作ですが、一層綿密且つ重厚な編曲とそれを再現する腕達者な管、コーラスを含んだ贅沢な編成が楽しめます。製作サイドは、音楽的にも商業的にも頂点にあった当時のステージに惜しげもなく金を注ぎ込んだのでしょう。バンドも世の中も、バブルの絶頂にあったのですね。ただ、超大作且つ名盤だった前作中心のライブ盤『To me』に比べて音のバランスと輪郭が今一歩なのと、玉置氏の口先或いは鼻にかけた思わせぶりな発声方法が少しやり過ぎに感じられます。どっちにしても上手いことに変わりありませんし、後半での盛り上がりは正に爆発的で、鳥肌・感動モノです。
その後玉置氏本人は、こうした「妖しげ・バブル路線」に嫌気がさしたのでしょうか、バンドを解散しシンプルで健康的な作風に大きく転換します。先日のNHK「Songs」出演時にも「もうビブラートはかけないし、フレーズ(余分な歌いまわし)もつけない」と言っておりました。けれども私としては、セクシー路線は勘弁ですが、高い音楽性に基いた豪華で贅沢なこの頃の作りが大好きです。なので、本作に『Shade Mind』が収録されていないことが残念で、残念でたまりません。
玉置浩二の絶頂期
★★★★★
この時期の安全地帯は、色々と問題が多かったみたいですが、だとしても、このLIVEが安全地帯の最高のピークだと断言できます。これほど歌唱力が凄まじいレベルに達している玉置さんのLIVEは、後にも先にも、これだけでしょう。
とにかく圧倒されます。20年前なんて、とても信じられません。というか、未だかつて、この時期の玉置浩二を凌ぐ日本の男性ボーカリストを私は他に知りません。
普段、洋楽を良く聴いていて、しかもボーカル力が際立っているアーティストの曲を聴いていますが、
それらを聴いた後でも、全然聴き劣りしません。これは、すごい事だと思います。
楽曲も、素晴らしい曲ばかりです。
このLIVEを聴くと、今の玉置さんは、本当に勿体無いと思ってしまいます。
音楽的完成度の高い生演奏作品なのである!
★★★★☆
当時日本のロックバンドのライブ演奏というと、スタジオ演奏に比べてヘタクソすぎてとても聴いていられないという物が多かった(アルフィーとか酷かったな...)。
その点いかに安全地帯のクオリティが高かったを思い知る作品だと言える。ほぼ20年前ですよ!? 昭和ですよ!? C-C-Bが「ロマンティックが止まらない」とか演ってましたよ!?
ライブ演奏で聴く安全地帯というのは、スタジオ演奏には収まりきらない様々なミュージックマインドに溢れていることに驚かされる。この躍動!今自分が聴いているのが安全地帯だと言うことを忘れるくらいに、アツい。
明日このコンサートがあると聞いたら、ワタシは間違いなく見に行くね。絶対。
安全地帯ライブ
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約20年前、高校生だった頃にTVで見た”安全地帯”の全盛期がそこにはあった。玉置浩二の声が若く、”熱視線”を放つ華麗なアイ・シャドウと独特のシャウト、囁くようなオトナの色気とセクシーさに魅了される。さらに、ツイン・ギターによる3次元的な立体感と妖艶で繊細な音作り、18年前の音とは思えない。
この躍動感により、安全地帯がもつ力の120%を見せつけられた感がする。
とにかく、曲目群がすごい!ライブ版ベストという感がある。
ワインレッドの心、熱視線、じれったい、碧い瞳のエリス、好きさ、I LOVE YOUからはじめよう、悲しみにさよなら、真夜中すぎの恋、月に濡れたふたり、あなたに、など名曲がずらり。30代半ばの年代なら必ず耳にしたあのサウンドが。
独断場のマイナー調哀愁ロック、これと対峙する温かいバラード。これらがうまく融合しあって、80年代には安全地帯の”一時代”がここにはある。