デビュー20年というアニバーサリー・イヤーに発表される記念碑的フルアルバム。'70年代のデヴィッド・ボウイが'00年代モードと共に蘇ったようなロック・ミュージカル風ナンバー「Mr. Darkness & Mrs. Moonlinght」、天使と悪魔がステップしている映像が浮かび上がってくる近未来的シャッフル・チューン「リリィ」、妖しくもダークな音像を撒き散らしながらグルーヴしてくロカビリー「La vie en Rose~ラヴィアンローズ」、ヒリヒリと繊細なエモーションを響かせる幻想的ミディアム「SNOW WHITE」。オーバーダビングを抑え、5人のメンバーによるダイレクトなバンド感を軸にした本作で彼らは、パンク、ゴシック、ヘビィロック、ニューウェイブといったイディオムをしっかり踏襲しながら、しかし、きわめて斬新な手触りのロック・ミュージックを描くことに成功している。ロック・バンドというスタイルは決して朽ちることがない。自由なセンスと枠にはまらないアイデアがあれば、いくらでも刺激的なサウンドを生み出すことできるのだ――このアルバムを聴いていると、ついそんなことを思ってしまう。(森朋之)
2007
★★★★★
07年デビュー20周年を迎えた彼らの2年ぶりとなったオリジナル・アルバム。唯一無二のサイケ&ダークなポップ感を漂わせるドラマチックなチューンが、斬新なアレンジを伴って聴く者に息つく暇も与えずに襲いかかってくる。とにかくすごい、すごすぎる作品だ!
進化故に仕方なしか…
★★★★☆
確かに悪くはない。
邦楽の中で常に進化し、存在感を示している稀有なバンドBUCK-TICK。
本当にファンとして誇れる活動を続けてくれているが、ボーカル櫻井氏のキーが最近上がった様でこの作品でも主旋律のダークさが失われている印象をうけ、編曲も綺麗にまとまり過ぎている気がする。
バンドとして常に進化するスタンスならキーが上がり、アレンジの趣向が変わってくる時があってもおかしくはないが、個人的に何かしっくりこない。
今いるその他大勢の目に余る程進化しないアーティストもどきの糞バンド、糞デュオが多い中、BUCK-TICKの変化は本当に素晴らしいが、必ずしもその変化が満足なモノではないって事があるとわかった作品でした。
しかし、
流石BUCK-TICK!ってアルバムである事に違いはない。
あんま聞かない
★★☆☆☆
イントロも技巧かもだが、いまいち。シングルのしか聞かない。雰囲気は新鮮さを感じる。BUCK-TICKで正統なロックをやったらこんな感じってゆう。キラキラ感は好き。
クリームソーダは、出来が悪くても欠かせない一曲、あるいは、『もういい』って言う人もいるかな。
もっかい聞いてみるか。
BーT絞り×BーT印(BUCK-TICK風土の土臭さ風味)
★★★★☆
好感触の好きなアルバムですね。 悲壮感等も描かれてはいるんですが聴き終えた後の全体の印象は充実した気持ち良さがあり、そこに幸福感を感じてしまいます。前作の創り込まれた世界観もよかったんだけど。あれで終わると暗さが残る結構重い気分にもなるし作品全体単位で聴くのにもそれなりの覚悟というかエネルギーが自分には必要だったので、もっとフラットな気分で聴ける今作はいつでも受入OKで、しかも大方の予想を裏切る変化球というか芯が60年代とかのロック(今井氏狙いのコンセプト)をBUCK-TICK風に味付けした感じが堪らなく、自分は気に入ってる数曲に過去の楽曲「誘惑」「唄」「DIABOLO」等を付け足し(今後の曲も加えられたら更に)愉しく聴いてます。櫻井氏が『天使のリボルバー』を「ロックスター」的アルバムと言い表してた正にその通りの印象です。
とどまることなき彼等の進化
★★★★★
アグレッシブに進化を続けるBUCK-TICKの記念すべき20周年を飾るにふさわしい名盤
骨太でしたたかにうねるリズムを前面に打ち出し、機械音を極力排除したライブ感溢れるサウンド
緩急自在のドラマティックな構成で、収録曲の13曲全てにハズレなし
冒頭のドラムとオペラのようなコーラスが印象的なのMr.Darkness〜から始まり
メロディアスでグルーブ感溢れる RENDEZVOUS
イントロのギターとサビがたまらなくカッコいい モンタージュ
意表を突くポップさとキャッチーな明るさの リリィ
セクシーでハードボイルドなテイストの La vie en Rose
擬音的な歌詞とサイケなメロディの輪廻にハマる CREAM SODA
降りしきる雨の情景が目に浮かぶ、切なくも壮大なバラードの RAIN
カーチェイスのような振り切った疾走感のあるビートが痛快な BEAST
フラメンコを思わせる独特のリズムとロックの融合が秀逸な 絶界
幽玄かつ透明感のあるサウンドで見事に冬の華を表した SNOW White
60年代を思わせるメロディにエロい歌詞がマッチした スパイダー
70年代のロック歌謡的な曲調と遊び心に満ちた歌詞が楽しい Alice in Wonder Underground
殺気みなぎる歌詞をダンサブルかつシネティックに仕立てた REVOLVER
それぞれ個性の異なる楽曲が見事にアルバムの中でひとつにまとまっている手腕はさすがの一言
櫻井氏の声の表現力にも一層の磨きがかかり、多彩な味わいを楽しませてくれる。とりわけ7曲目のRAINにおける情感溢れる絶唱は筆舌に尽し難く素晴らしい
聴き手を思わず落涙させる本物の表現者に成長した櫻井氏のたゆみない努力に敬意を評したい