この作品の最大の特徴はモースが次々に仮説をひねり出す所にある。数少ない証拠から想像力を働かせ、とっぴながらも思わず膝を打ってしまう推理を次から次へと披露しては、あっさりと崩される。それでもモースは懲りずにまたとっぴな推理を考えるのである。
何度も繰り出される推理とどんでん返しに振り回される、そこにこの作品の最大の楽しみがあると思う。