今年購入したＣＤの中でナンバーワンと言える素晴らしいものでした。ちなみに、このライブシリーズは今回からメーカーがフォンテックに戻っています。

これは、ファンタジー小説や寓話をテーマとしたライブの録音です。
収録曲は…
・ヘスペリデスの黄金の林檎（樽屋雅徳）
・寓話の交響曲（ジュリー・ジロー）
・ユーフォニアム協奏曲「称うべき紳士たちの列伝に」（ピーター・グレイアム）
・交響的情景「地底旅行」（ピーター・グレイアム）
・ジュピター（ヤン・ヴァンデルロースト）

収録されているユーフォニアム協奏曲「称うべき紳士たちの列伝に」は世界初演のもので、ソロは名手スティーブン・ミードです。
この曲はミードの委嘱により２００７年に完成した作品で、１９世紀の小説に登場する３人の偉大な紳士たちがテーマになっています。それらの紳士とは『タイムマシン』でタイムトラベラーと称する主人公、『シャーロック・ホームズ』シリーズの主人公シャーロック・ホームズ、『８０日間世界一周』の主人公ウィリアス・フォッグです。
全体的に美しくてうっとりさせられる曲ですが…、最終楽章は超絶技巧が要求されます。まさに真の巨匠ミードのための作品なのです。
もちろん、素晴らしい演奏でした。

そしてライブのラストを飾った「地底旅行」も熱の入った演奏でイイです。この曲の原題は「Journey to the Centre of the Earth」といい、ディズニー・シーのアトラクション（センター・オブ・ジ・アース）と同じく地底奥深くで怪物と遭遇するって感じです。

「ハリソンの夢」や「ザ・レッドマシーン」等でおなじみの、スピード感バツグンなグレイアム節が炸裂します。
これも高い技術が要求され、演奏効果の高い素晴らしい曲です。ちなみに、ナマ演奏での効果を意識して作曲されたとか…。