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空白の殺意 (創元推理文庫)

価格: ¥756
カテゴリ: 文庫
ブランド: 東京創元社
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高校野球 ★★★☆☆
 1980年にトクマ・ノベルズから『高校野球殺人事件』として出たものの改題・復刊。
 東京創元社から復刊されているシリーズの第3弾だが、前作までとは違って、あっと驚くようなトリックは仕掛けられていない。それなりに意外性はあるものの、どちらかというと堅実なタイプのミステリであった。まあ、それなりに楽しめる作品といえるのではないだろうか。
 『天啓の殺意』、『模倣の殺意』はトリックは良いものの、無味乾燥な文章に飽き飽きさせられたが、それが本書では文章が改善されている。どちらが望ましいのかは良く分からないが。
 それにしても、高校野球というのはひどいものだ。大人の勝手な欲望と理想が、球児たちに押しつけられている。そのあたりの描写は社会派っぽいのかな。
書き手と読み手のギャップ ★★☆☆☆
過度の期待は禁物。正直、今回の叙述トリックは、程度の低いギャグを聞かされたような感じです。作者一番のお気に入りだそうですが、やはりどの世界でも、つくり手と客の評価のギャップはあるもんですね。
またまたやられた! ★★★★☆
ミステリーファンには
『高校野球殺人事件』
として記憶されているであろう作品です。
無用に高尚そうなタイトル(初出時に戻しただけなのだが)より、
『高校野球殺人事件』のバタくささがいいと思うんですが…。

甲子園出場に向けてのあれやこれや、
それに高野連の圧力、連帯責任、自粛などのキーワードは、
初出時から25年を経た現在でも相も変わらず新聞やテレビを賑わしています。


様々なタイプのトリックを盛りだくさんに放り込んだ作品で、
他の作品のような薄っぺらさもないし、
さすがは作者のイチオシだけはあります。