ハンディサイズ
★★★★☆
岩波理化学辞典や岩波情報科学辞典のような規模のものを期待していたのだが、それらにくらべハンディサイズで、少々期待はずれだった。収録語数は19,000語ほど。いや、立派な本にCD-ROM付きでこの値段なのだから、明らかにお買い得な本ではある。語釈も特に問題があるわけではない。わたしが勝手に想像していた規模のものと違っていただけだ。
前書きによると、建築学会で刊行されていた用語集を下地にしており、用語集と辞典の中間といったところだと思う。正に「用語辞典」だ。
もちろん、建築学会の編纂で岩波から刊行されているのだから、建設現場で使われているような職人言葉はあまり収録されていない。どちらかと言えば、建築を工学的視点で見る方が対象だ。
EPWINGのCD-ROMが付属しているが、図版はすべて省略。建築という分野から考えて、図版は必要だと思う。冊子の辞書+辞書CD-ROMでこの価格を実現するための工夫なのだろうが、図版は冊子用にスキャンしたデータを流用するわけで、それほど価格が上昇するとも思えない。
(余談だが、EPWINGで8cmのCD-ROMは始めて見た)