昆虫の理科まんがとしては秀逸
★★★★★
昆虫ものは、理科の学習漫画シリーズの定番だが、どちらかというと図鑑の解説的なものが多い。ところが本書は、親の世代が昆虫採集をしては飼育していた体験そのまんま、「森や池に探しに行って」「捕まえて」「苦心惨憺しながら飼育して」さらに「昆虫を夢にまでみて自らイモムシになりきる」という本である。
採り上げている虫は、カブトムシ、クワガタムシ、ゲンゴロウ、チョウ、秋の鳴く虫など、日本にいるごく一般的なもので(外国などの特殊な虫はあえて割愛して、紹介する虫の種類も絞り込んでいるようだ)、実際に野山でこういった虫を捕って回った親の世代が読んでも「ああそうだったなあ」と言える、十分にリアルな流れであり、楽しい。
クレヨンしんちゃんのキャラも、原作のやや品がないところまでそこそこ盛り込まれている。しんちゃんの学習漫画シリーズは全体にレベルが高いと思う。