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仮面(ペルソナ) (幻冬舎文庫)

価格: ¥680
カテゴリ: 文庫
ブランド: 幻冬舎
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残念なところもありますが、十分に楽しめるミステリです。 ★★★★☆
店を閉めることになったクラブ「クレイモア」のお別れパーティーに集まった、仮装した七人の男女。が、パーティーが始まって間もなく惨劇が。密室状態のクラブの中で次々と殺されていく参加者たち。この不可能犯罪に立ち向かうのは、パーティーのための出張シェフのアルバイトとしてやってきた風水火那子。名探偵の仮面をかぶり他人の秘密を暴き立てると非難され窮地に陥る火那子。魔女に死神、AV女優、道化師などなど、凝った仮装の中に、さらに犯人の仮面をかぶっている者をつきとめることはできるのか?

ある人物の事件の手記と、事件の関係者の回想とで物語は進んでいくのですが、とても大きな仕掛けが隠されていて、ミステリファンなら十分に楽しめます。ただ、構成上記述上止むを得ないことだったのでしょうが、謎をわかり易くしている箇所があるのがとても残念です。

また、非難されながらも名探偵の仮面をかぶったまま生きていこうとする風水火那子の清々しい爽やかな姿がとても印象的。この先ずっと応援していきたいヒロインの一人になりました。
山田正紀版『火刑法廷』 ★★★★☆
二重に解釈出来る文というか、
中立の語り手と犯人の捏造と探偵の謎解きが、
同時に一つの視点として語られる驚異の三重構造。
問題提示編と解決編を同時に語る驚愕の叙述トリックが爆裂する。
ダイイングメッセージものとしても巧い。
ジョン・ディクスン・カー の『火刑法廷』に匹敵するなら文句なく星五つと言いたいが、
真犯人の動機が弱いので星四つ。
風水火那子シリーズの第2作だが、
第1作の『阿弥陀(パズル)』 読まずに読んでしまったが、
問題ありませんよね?
まさかエラリー・クイーン のレーン四部作のような仕掛けはしてないよな?
挑戦的 ★★★★☆
風水火那子シリーズ二作目。前作「阿弥陀(パズル)」は純粋パズラーとも言える作品だったが、今作も仕掛けが面白い。
事件前が描かれた後すぐ、事件後に時間が移り、事件そのものは回想と手記の形で展開されていく。それは単に倒置しているだけでなく、この作品の大きな仕掛けが潜んでいる。

また事件を追うストーリーの中に入れ子のように挿入されるスリリングな追跡劇もなかなかのものである。
惜しいのは、記述上おそらくやむを得ず施されたであろう措置が、一部の謎をわかりやすくしてしまっていることである。
だが、作品自体も挑戦的であるし、ミステリの定型に対しても挑戦的であるように感じられる、その点でとても楽しめた。