人間関係がテーマ
★★★★☆
「古典部シリーズ」第五弾
主人公達は2年に進学し、古典部にも1年生が一名仮入部してくる
しかし、その1年生は本入部しないことを告げる
しかも、千反田にふくむところがあるようなことを告げる
しかし、奉太郎は千反田がそのようなことをする人間ではないことを知っている
何か誤解、行き違いがある
全生徒参加のマラソン大会の最中、
安楽椅子探偵よろしく、奉太郎はその謎に挑む
タイトルは、表面上は主人公とそれぞれのキャラのマラソン上での距離を示している
しかし、本作(本シリーズ)のテーマは人間関係
省エネを信条とする主人公・奉太郎
その奉太郎が千反田をおもんぱかり、行き違いを解消しようと行動にでます
そして、最後には新入生の悩み(学校外での出来事で、彼女の個人的なこと)にも協力できないのか、と考えます。実際に協力をするのか、どうかは書かれてませんが・・・
シリーズを通して主人公がどう変化するのかを楽しんで欲しい、傑作青春本格ミステリです
「古典部シリーズ」第五弾
★★★★☆
「日常の謎」+「安楽椅子探偵」が骨子ながら
舞台を共学高校に置き、
ライトノベルの装いを纏うことにより
アクティブな展開を造ることに成功している
「古典部シリーズ」第五弾。
本巻は、マラソン大会という激しく動いていながら、
探偵という意味では動けない物理的時間的制限の中
ゴールまでに謎を解決するという
パズル的推理がテクニカルに完成度高い。
(その分、犯罪者役の新入生の動機の切迫感の低さや
ちょっと強引な推理推測もあるのだが・・・)
前作短編集で匂わされた、
主人公たちの青春モノならではの人間関係の深まりが
本巻でもゆっくりと進展していることを、
さらりと示している点は、かなり好感度高し。
勇敢な
★★★★★
作者に星5!
人気シリーズで、学年を進めたり、登場人物の関係性やある種のお約束を変化させて行くことは
想像以上に勇気のいることではないかと思う。
本が売れない今、それをしたことに感動。
ミステリとしてだけではなく、ビルドゥングロマンスとしてもこれから続編が楽しみになった。
原点回帰
★★★★☆
久し振りに、初期の古典部シリーズの雰囲気が戻ってきた感じです。
古典部に新入部員が入るという事でワクワクしながら読み進めて
とてもいい感じの娘で、うれしいなーと思っていたら入部しないと言い出してしまった。
なんか、自分の部活の事を色々思い出して切なくもなりましたが、主人公は
作中に生じた私達のモヤモヤをマラソン大会という時間制限の中で解き明かしていきます。
自分の為と思って間違いを犯した「友達」に対し
それを正さずに距離を置く事は裏切りなのでしょうか?
たとえそれが、自分を守るためだったとしても…
ある意味突き放した感もある結末には酷薄な印象をうけるかもしれませんが
前に進むために乗り越えるべき壁は手助けはできても
結局のところは、自分で乗り越えるしかないのだと思います。
ただ、一人の新入生の葛藤と誤解を解く内容なので
過去の古典部シリーズを読んでない方やクドリャフカ以降の古典部が
お好きな方には物足りないかもしれません。
個人的にはこういう感じで古典部シリーズが続いてくれると嬉しいです。
期待すればこそ
★★★★☆
待望の古典部シリーズ。
期待が大きいだけに評価も厳しくなってるのかなと思います。
内容はそれほど悪くなく自分は楽しめました。
ミステリとしてはちょっと弱いかなとも思いますがまだ2年生
になったばかりの古典部の今後の活躍がやはり楽しみです!