なが〜い眉に緩やかな弧片の目、縦一直線の鼻梁におちょぼ口が特徴的なお顔の菩薩様。この特徴がなぜか心を和ませてくれる。本のタイトルどおり、楽に楽にちょこんと絵の中に存在する菩薩様が心のほぐしに役立ってくれるよう。画に添えられた文には昔どこかでの既視感が多いのだけれど、それ故に”己にとって”の文意をかみしめるように導かれる。それも肩をはらずに楽に楽に見つめ直そうよという雰囲気で。見開き右ページの仏画翻案文は解釈の波紋を広げる投げ石の役割を果たしている。意訳した英文一文が添えられているのも心憎い。１時間あれば読み終えられる。しかし、時折本を開いて読み返すと、幾層倍の時の中で心ほぐしの薬絵として役立つ癒しの本となるように思う。
「力を抜いて、ちょっと一服。そうすれば、見えないものも見えてくる。」
「大きく、大きく遊ぶんだ。」
「問題はいつだって、それからどうするか、だ。」
「天は自分の心に宿っているよ。」　　　（翻案文からの抜き書き）