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武揚伝〈1〉 (中公文庫)

価格: ¥720
カテゴリ: 文庫
ブランド: 中央公論新社
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武揚の大志 ★★★★★
 幕末ものに関しては、一通りの人物や事件が取り上げられているが、本作は榎本武揚の前半生に焦点を当て、佐々木譲風の冒険活劇にしあげられたものである。
 幕末の内外の矛盾が高まりつつあるとき、武揚少年は生まれた。怜悧な頭脳と豊かな感性を持つ彼は、はるか壮大な視野を持ち始めた。果たして彼にとってそれ幸か不幸か・・・日本が直面する荒波に対し、彼は己の信ずるところに従い突き進み、成長していく。
若き武揚 ★★★★☆
この前、司馬遼太郎の土方歳三もの『燃えよ剣』を読んだので、今度は、榎本武揚の本が読みたくなり、探し回って、やっと見つけたのがこの本。

もともと、榎本武揚には興味があったけど、あまり知る機会がなかった。時代小説なんかでは、あまりいい書き方されていない人だったけど、実は、とっても当時の日本人としては面白い人だと思う。

まだ、一巻。ようやく若き武揚がオランダに着いたところで終わる。
☆4つ ★★★★☆
榎本武揚。
数ある幕末物語に登場しながら脚光を浴びることは多くない。
幕府艦隊の実質的指揮官であり、蝦夷共和国の総裁になったこと、そして結局新政府への降伏を決めたことだけが語られたりもする。
ときに旧幕府軍の戦力的な最後の拠り所として描かれ、ときに「総裁として無難な人選」として描かれ、ときに「最後まで戦い抜けなかった根性無し」的な扱いを受けさえする。

彼は優等生過ぎた。
優秀であることは間違いないが、突き抜けた天才ではありえなかった。
人徳を備えた「いい人」ではあったが、強烈な個性やカリスマ性を持ち得なかった。
律儀さ・勤勉さ・行動力・好奇心・責任感・使命感etc.・・・、それらを全てハイレベルで持ち合わせながら、その「キレイにまとまった人間性」は英雄のものでは有り得なかったということになるのかもしれない。
既述したような諸作品での扱いは、そこに起因するのだろう。

しかし、だからこそこの物語は爽やかな感動を呼び起こしてくれる。
なにせそんな彼が、共和制を掲げて蝦夷国独立を目指すのだから。
綺羅星の如く英雄・天才が現れたこの時代に、決して英雄でも天才でもない彼が、である。
手順と理論、道理を踏み外さない彼の「凡庸な優秀ぶり」は、それはそれで強烈な個性であることにようやく気付かされるクライマックス。
読後には、歴史教科書は「榎本武揚」の名を大書すべきだ!と叫びたくなること請け合いです。

淡々と進む物語であり、主要な登場人物もあまり有名ではない人が多いので、幕末小説を読みなれない方には少々退屈に感じるかもしれません。
その点を考慮して☆は一つ減らしておきます。
爽やかな読後感 ★★★★★
榎本武揚の幼少時代から五稜郭降伏までが描かれています。
その後の活躍については最終章で軽く触れられるのみですが、この最終章のまとめ方が、すごくよかった。
とても読みやすい文章なので、全4巻を失速することなく一気に読むことができました。

榎本の描かれ方も、頭がよくて、坊ちゃんっぽいのに妙に大胆で、開明派なのに(いい意味で)夢見がちという、ほぼイメージどおりに魅力的に描かれており、満足です。
少々ヒーロー的に描かれすぎている気もしますが(もうすこしヘタレた人間でも魅力的だったように思う)、まぁ主人公ですし、これはこれでいいのかも。

大鳥圭介や土方歳三など箱館政府の人々も清々しく描かれていて、よかったです。
一方、勝海舟は相当に駄目な人間として描かれており、ここまでこき下ろす必要もないのではないか・・・という感じもしました。

作者の明治政府に対する評価が低いことから、4巻巻末の解説では「アンチ司馬遼太郎作品」と位置づけられていますが、司馬さんのファンの方達にもおすすめしたい作品です。
どちらも、自分の志(思想という狭い意味ではなく)に従って風雲の時代をまっすぐに生きた人間を描いているという点では変わりなく、その爽やかな読後感はまったく共通しているからです。
知識の一片になるかと思います。 ★★★★★
『榎本武揚』という人物について、まず真っ先に浮かぶのは
戊辰戦争で最後まで闘った幕臣というイメージだと思います。
もちろん、それは真実です。
ですが榎本武揚はそれだけではありませんでした。
幕臣という枠を超えて、世界の中の日本を自分の中に作り出し、
完全な未来の日本の青写真(例え他人にしたら不完全でも)を持って闘っていました。

それがこの本において得た知識です。
これを読んだ時、私は長州や薩摩など討幕派側視点からの小説、
資料しか読んでいなくて
イメージが固定されつつあった(徳川側は滅んで当然など)のですが、
この場において見事にぶち壊さた事を覚えています(苦笑)。

しかし、歴史を知る上においてはそれはとても重要なのだと今更ながら感じます。