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見えないアメリカ (講談社現代新書)

価格: ¥777
カテゴリ: 新書
ブランド: 講談社
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通読すると綺麗にまとまっているのは見事! ★★★★★
保守(Conservative)とリベラル(Liberal)という
アメリカ政治の入り口から始まるも、
そこから話は都市のエスニックな移民と、南部保守系白人と黒人に移り、
アメリカ社会の強い宗教性、狩猟文化から見た銃規制の難しさ、
政治劇としてのメディアのあり方を軽やかに俯瞰しながら
アメリカには自由主義以外に有力なイデオロギーが無く
だからこそ、その中身が多様化している現状を明らかにしている。
話が柔軟に飛んでいくので、読んでいるうちは散漫な印象があるが
どうして、通読すると綺麗にまとまっているのは見事。

人種宗教等各々ナーバスな問題も多いが、
筆者はひとつひとつ私たちの短絡的な決め付けを
具体例を挙げて丁寧に解してくれる。
(例えば熱心な信者=共和党支持者等)

筆者はアメリカの選挙事務所にて、
キャンバシング(戸別訪問の投票勧誘と調査)を
行っていた経験があり、草の根の米政治事情とその分析、
そこから見えてきた広く深い視野は、
大学と研究所だけにとどまるスタティックなアメリカ政治研究の範疇を
大きく超える説得力を持っている。
アメリカで何が起きているか ★★★★★
「アメリカ」「政治」というと「共和党は右、民主党は左」とか「福音派は保守的で危険」とかステレオタイプなイメージが先行して、実態を正しく見れていないことが多い。
本書は、そうしたステレオタイプを取り払い、アメリカの今を教えてくれる。

まず筆者は、とりあえず左右の分類で、アカデミックなものと土着的なものを分類する。
これは日本についても言えることなのだが、考えてみると無視されがちな視点でなるほどと思わされた。

その後で取り上げられるトピックは「都市」「南部」「信仰」「メディア」と、アメリカを説明する際にはよく取り上げられるが、同時に誤解の多いものばかりである。
移民の問題、福音派だから必ずしも宗教右派なわけではない、地方代表はみんなワシントンが嫌い、などなど、なかなか知らない情報を上手く与えてくれる。
誤解されるアメリカ ★★★★☆
 アメリカの保守、リベラルといっても、スターバックスのリベラルと、クアーズビールの保守といった簡単にステレオタイプ的に分類することができないという言葉から始まる本書は、アメリカの多様性を、アメリカの選挙戦に携わった著者の経験から描き出しています。

 本書の基本的構成としては、大衆的なリベラルと大衆的な保守、それと、アカデミック(知的な)リベラルとアカデミック(知的な)保守が存在し、大衆的保守とアカデミック保守をつなげる、また大衆的リベラルとアカデミックリベラルをつなげるメディアの存在。
 
 そうした、動きも分かりやすく書かれています。

 一つのアメリカ論でそこそこ読み応えがあります。

 また、文章自体はとても読みやすく、価格としても十分いい感じです。
民主党選挙本部アジア系集票担当の現場を経て著者が見たアメリカ政治の多様性 ★★★★☆
1890年代、都市部はワスプを代表とする共和党が占め、南部は農民政党だった民主党が占めていた。

しかし100年後、支持地域がそっくり入れ替わる。

民主党は大都市に流入した新移民の利益を約束し共和党地盤にまで躍進。ルーズベルト時代に頂点を極める。
一方、共和党は移民との利益や価値観とは相容れず、豊かさ(映画バック・トゥ・ザ・フューチャーの1950年代の世界)を求め郊外へ逃れる。

しかし民主党の昔からの支持者である南部労働者層の白人は公民権運動や北部のワシントン的独善性を不服とし、ジョージ・ウォーレスの登場をきっかけとし共和党へ離反する。

その後のメディアを利用した保守化運動やレーガン革命により共和党に勢力がうつり時代は「共和と民主」「保守とリベラル」の二項対立が完成する。

しかし自由主義という一つのイデオロギーのもとその背後には多様な価値観が混在する。
著者はその歴史と運動の変遷を丹念に追っていくことでアメリカのダイナミズムをうまく表現していてまさに「見えないアメリカ」を見ているようです。
ただ膨大なエネルギーとともにアメリカの余裕のなさも感じました・・

時代の転換期である現在、過去数百年続いた欧米中心の物語(善悪の価値観や常識)が中国や中東諸国の台頭で180度大きく変わるかもしれません・・
オスマントルコやチンギスハーンが世界を席巻していた時のように、そしてアメリカのこの100年がそうであったように・・
そんななかアメリカは内に秘める多様性をどのように活用するのか?

この本がその基礎知識を与えてくれるかもしれません。
アメリカ二元主義の内情が良く分かる ★★★★★
多くのキリスト教国がそうであるように、アメリカも何事によらず、白黒をはっきりとつけたがる国であるらしい。だが、社会の成り立ちが多様であることに加えて、全てのことはそんなに極端に分けられるはずもなく、やはり内情は複雑だ。著者は民主党の選挙活動にかかわっていたことがあり、その立場から多様な国民性を様々なカテゴリーにマッピングし、その歴史についても詳しく述べている。

個人的には、近年のアメリカの大統領選挙で常套的になっている「ポピュリズム」についてのくだりを、とても面白く読んだ。政治の表舞台に立つ人間は、社会に属する何パーセントかのエリートであるが、直接選挙の選挙権を持つ非エリートである大多数の人達に、どのように共感をおぼえさせるか、その為の物語としてのポピュリズムがある。それがたとえ見せかけだけのものだとしても、現在のアメリカにはそれが必要とされている。

また原理主義的な○○運動(例えば、フェミニズムや反共や労働組合や動物愛護などなどなど・・・)がアメリカでは盛んで、自分の持つ1つの信念を貫くためには、他の何をも否定して自分の属するところの教義を声高に述べるのもとても「アメリカ的」だが、著者は40年にわたる女性運動の例を挙げ、「特定のグループの利益だけを求める運動が、曲がり角にきている」(p.180)と述べているのも興味深い。

町山智浩氏の「アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない」を読んで面白いと思った人には、本書も楽しく読めると思います。