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屋上物語 (祥伝社文庫)

価格: ¥620
カテゴリ: 文庫
ブランド: 祥伝社
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シュールすぎて話に入り込めません ★★☆☆☆
デパート屋上のうどんスタンドが舞台の連作短篇集。

日常の謎のようで、しかしちょっとシュールな現代社会の謎を取り扱う、というあたりが特徴。

うどんスタンドの主が探偵役という変化球設定だが、ちょっと安楽椅子探偵のようで、でもやはりそうではないのだ。(北森作品にありがちなキャラクタという話もある。)

全体としていちおう連作短篇のかたちになっているが、話としては全部つながっていて、だんだん探偵役やその周囲の人物像が明らかになってゆく、という、まあこの分野の黄金パターンではあります。ただし、どうにも登場人物に感情移入し辛いのと、グルメ系ミステリにしてはうどん(超おいしいという設定ではあるが)しか出てこないので、個人的には最後まで盛り上がりにかけたような気がする。

あと、書き下ろしの最終章はちょっと余りにおまけ的で、気に入りません。
屋上の住人たち ★★★★☆
 1999年に新書版で出たものの文庫化。短編が1つ加えられている。
 8つの物語を収めた短編集。いずれもデパートの屋上にいる者/物たちの視点を通して描かれており、なかなか斬新だ。
 人情味があるように見えて残酷な結末が待ち受けているのは、いつもの北森調。読み終わって、いやーな気持ちになる話が多い。特に「楽園の終わり」とか。
 しかし、完成度という点では、北森作品のなかでもずば抜けている。やはり「屋上」というテーマと設定が良かったのだろうと思う。
 一応、完結してしまった作品のようで、続編がないのが残念。
人間くささが魅力 ★★★★★
~ 長編とはいいながら、連作短編集のような作りです。一つの話が終わったと思うと、その中の一人または一つの出来事が次のお話につながっていく。

 それぞれの話のラストは、決してハッピーエンドばかりではありません。ちょっと救いがない、というか悲しい結末のものもあります。が、そこがまた人間臭いというか、現実っていうのはこんな悲しい出来事の~~積み重ねだったりするのかもしれないと思わせる、そこがまた味のある小説になっています。

 『花の下にて春死なむ』や『メインディッシュ』のようなちょっと心温まるミステリーが好きですが、こんな人間臭い作品もなかなかです。

 やくざすら懐柔してしまうさくら婆ァの魅力。自身がつらく悲しい体験をしているからこそ、人には優しく、ときに厳しく~~なれるのかもしれません。
 
 結末が悲しい話が多いにも関わらず、読んだ後はなぜか清々しく、また明日に立ち向かっていけるような気持ちにさせてくれるのは、作者のチカラでしょうね。~

うどん一丁 ★★★★☆
デパートの屋上にあって、行列の出来ちゃうウドン屋さん。
そこで働く、さくら婆ぁさん。
腕は良いけど、口は悪く、ヤクザの人からも一目置かれる彼女が、
屋上で発生した色々な事件の謎を解く連作ミステリーです。

さくらさんを始めとする登場人物は、ややステレオタイプ的ですが、
味があり、ニガイけど、読んだ後にホンノリしたものが残る感じです。
連作ミステリーとしての落ちも、割と、ちゃんとしています。

ちょっと後味の悪いお話も有るのが、
個人的にはマイナスなのですけど、全体的には、
良くできた秀作だと思います。

うどんが食べたくなります ★★★★★
デパートの屋上にある行列の出来ちゃうウドン屋さんで働く、さくら婆ぁさん。腕は良いけど、口は悪く、ヤクザの人からも一目置かれる彼女が、屋上で発生した色々な事件の謎を解いちゃう連作ミステリーです。

さくらさんを始めとする登場人物は、ややステレオタイプ的ですが、味があり、ニガイけど、読んだ後にホンノリしたものが残る感じです。連作ミステリーとしての落ちも、割とちゃんとしています。

ちょっと後味の悪いお話も有るのが、個人的にはマイナスなのですけど、全体的には、良くできた秀作だと思います。