ファンタジーのガイド本ということで読んでみましたが、今一つ分かりにくいように感じました。ある程度知った作品のことなら書評として読めば、ベタ誉めでなく、良くない点なども挙げられてて面白く読めたのですが、所謂マンガ的と思われる作品には興味が無いようで…『マンガみたいだから優れた文学じゃない』様な事を、特定の人気マンガ作品名を例に挙げて言われると、(多分読んでなさそう)よく知らないのに作品名出す人なのかな…とか思ってしまってちょっと興醒めというか残念な気持ちになりました。

指輪物語から始まって、日本の十二国記、守り人シリーズと
古今東西ありとあらゆるところからファンタジーを集めてきたという感じです。

ただ、種類は申し分ないのですが
肝心の中身がいただけません。
こういう本を買った人の意図は
そのファンタジーがどういう内容で
自分にあっているかどうかを知りたいはずです。
しかしあらすじはほとんどなく
作者のファンタジー論に基づく位置づけがほとんど。
ベルガリアードにハマって、次は何を読もうかな〜と楽しみにしていたのに
全くの期待はずれでした。

ファンタジーガイド、ではなくファンタジー論とでも
題名を付け直すべきです。

本書の扱っている範囲には、日本/海外の作品から児童書とカテゴライズされている作品も多く含まれておりますが、SFやミステリとの境界線上にあるような作品は除外されているようです。あとはライトノベルの類も紹介されていないようです。
絶版、品切れの作品も紹介されていますが、特に区別はされておりません。しかし、現在はAmazonのようなサイトで調べることも容易なのでそれほど困らないでしょう。
残念な点は、付録で付いているシリーズ作品の各巻一覧が本書で紹介された作品だけという点です。

ハリーポッターを読んで以来、ファンタジーのファンに
なりました。日々の生活からちょっと逃避して、
楽しい時間を過ごせるのが魅力的。
そうしたファンタジーを紹介してくれる本です。
キーワードをあげたり、本の並び方も、テーマに沿っていて、
初心者としては、ファンタジーについてのちょっとした
知識も獲得できる本になってます。

ただ、根本的にお手軽なものを読んで、楽しんでいるだけの
私のような人間には、ちょっと、重いガイドブックでした。
もっと単純・簡単な本をストーリーの説明を増やして、
紹介してくれると嬉しいというのが正直な感想です。
ちょっとは、真面目にファンタジーを読んでいる人向き
ということだと思います。