本書はIPルーティングについて解説したものである。入門書としての位置づけであるため、IPルーティングの基礎的な部分も十分に解説されている。技術的な部分としてはRIP・RIP2によるダイナミックルーティング、Cisco独自の規格であるIGRPによるルーティング設計の方法、IGRPの強化版であるEIGRPの使用方法、オープン規格であるOSPFの利用方法、BGP-4の解説を行っている。基本的にはそれぞれのプロトコルの内容を理解することに主眼が置かれているため、単純なネットワークを例とした設定の方法と動作の解説が中心となっている。ネットワークで各プロトコルを駆動し、理解を深める構成になっているのが特徴だ。極端に大規模なネットワークは扱わないかわりに、基本的な部分をできるだけ要領よく解説しているので、入門者にとって使いやすい構成になっている。
本書ではIPルーティングの基本については説明しているが、IPそのものの解説はしていないので、ある程度はIPプロトコルの知識をもっている必要がある。IPルーティングについてわかりやすい解説を試みているので、IPルーティングについて学ぼうと考えている人におすすめだ。(斎藤牧人)
使っている例はノードが3つで、メインのリンクが2本、バックアップが1本。うちのような小規模なところではあんまり難しいことはいらないから、これで十分。ざっと読んでイメージがつかめたから、次はもう少し難しい本を読んでみよう。