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みんな集まれ! ネットワークが世界を動かす

価格: ¥2,625
カテゴリ: 単行本
ブランド: 筑摩書房
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ソーシャルツールを 分析したよ 冷静に ★★★★★
1.内容
Eメール、ブログ、携帯電話、ツイッター、SNS、リナックスなどの、いわゆるソーシャル・ツールが、どのように我々の生活を変えたかを分析した本。発信コストが劇的に下がったことが、既存の産業の優位性を破壊したり、失敗できない企業にはできないプロジェクトがソーシャル・ツールによってできたりする様が描かれている。もちろん、ソーシャル・ツールが出現すれば完璧というわけではない。一定量の普及がなければ生活を変えるような変化は起きない。また、ソーシャル・ツールによる変化が我々の生活に及ぼす欠点も指摘している。

2.評価
この手の本は、新しい技術の礼賛だったり(私見では翻訳本に多いパターン)、新しい技術ゆえの悲観論だったり(日本のマスメディアに多いパターン)するが、私が読んだ限りでは、7割方礼賛に傾きつつも、問題点を考究する視点に好感を持った。あまり日本の事例は載っていないが、それは星を減らすほどではなく、世界中の事例を通じて、ソーシャル・ツールがどのように発展し、どのように使えばいいかを考えられるいい本なので、星5つ。
サイバー最前線の実態を明快に分析 ★★★★★
アメリカのサイバースペース最前線の実態を明快に論じた、この道の第一人者、クレイ・シャーキーの代表作が、歯切れのいい日本語に訳されている。

確かに本書は、ネットが巻き起こしている社会革命の実態をビビッドに取り上げ、解説しながら、一つひとつの実話には、「
アメリカの今」が息づいている。

例えば、ニューヨークのタクシーの後部座席に置き忘れた携帯電話をめぐるエピソード。ネコババしようとしていた16歳のプエルトリコの少女(彼女はインターネットとはいっさい関係を持たない貧しい少女なのだが)がなぜ最終的には逮捕されてしまうのか、インターネットを衣食住の一部として巧みに操る白人エリートの若者たちが貧民靴に住む彼女をキャッチしてしまい、しかも警察を動かしてしまうのか。

著者がさりげなく人種差別、貧富の格差を描けば描くほど、アメリカ社会の現実が迫ってくる。

学校から家庭への通知から成績表にいたるまですべてEメールという「中の上」の社会に入り込めない、インターネットのない
家庭の子供たちがいかにつらい思いをしているか、そうした話を知れば知るほど、サイバー社会の裏面が浮かび上がってくる。

訳者は、ネットに相当のの嵌り込んだ御仁のようである。アメリカに住み、ネット事情をつぶさに見てきた人なのだろう。
巻末の参考文献一覧や注釈には、訳者の蓄積した知識と情報、果敢な取材力が詰まっている。
今何が起こっているか ★★★★☆
今までは結束する方法を持たなかった人々が互いに連携して、世界を動かしはじめている。一般市民がブログを立てて航空会社を追い込んだり、ブロガーが政治家を辞任させたり等、各章に一つの事例を取り上げて、様々な理論をもちいて現象を分析していきます。全世界の人々は6人の人間を介して繋がっている等、目からウロコな理論もたくさん紹介されていて興味深いですが、どちらかというと専門書的な内容で私のような一般人には敷居が高い部分も。全体的には楽しめましたが。
興味深い実例が多数 ★★★★★
ブログ、ツイッター、ウィキペディアなどのツールによって可能になった集団行動が我々の社会をどう変えるのかを論じた本である。メディアが報道しなかった政治家の失言をブロガー達が取り上げ辞任に追い込む、信者を虐待した神父をかばう教会に対して一般市民がブログを立ち上げて追求する、中東の平和運動家が秘密警察の圧政に対しツイッターを駆使して立ち向かう等、日本では知られていない興味深い実例が数多く紹介されている。著者はこうした事例を社会学的な視点から解説し、来るべき社会を予想する。

 タイトルから気軽な内容を予想していたが、結構専門的な理論が展開されており、かなり歯ごたえがあった。といっても専門家向けの本というわけではなく、私のような素人にも分かりやすい解説である。ネット社会というものを理解したい人には良いガイドになると思う。特にネットコミュニティーが発展するための必要条件の部分などは、ネットビジネスに関わる人には非常に参考になるのではないだろうか。ちょっと詰め込み過ぎの観もあるが、内容の濃い一冊。