十字架に張り付けにされた際のキリストと同じ、5つの傷が突如人間の体に現れるという聖痕現象を題材にしたオカルト・ホラーの佳作。こけおどし的ショック演出を避け、映像の幻想美で恐怖を醸し出そうとするルパート・ウェインライト監督の手腕に好感がもてる。『エンド・オブ・デイズ』では悪魔を怪演していたバーンが、ここでは静かなる魅力で迫る神父を好演。しかし、つくづく神がかりなものに縁のある名優ではある。(的田也寸志)