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細菌と人類―終わりなき攻防の歴史 (中公文庫)

価格: ¥900
カテゴリ: 文庫
ブランド: 中央公論新社
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さまざまな感染症の歴史がコンパクトにまとめられている ★★★★★
ペスト,コレラ,腸チフス,赤痢,淋病,ジフテリア,結核,梅毒,破傷風,炭疽病,ハンセン病など,さまざまな感染症の歴史がコンパクトにまとめられている。古くは異なる病気が同じものと見なされたり,その記録を探るのも困難があろう。

病気の歴史は,病気とのたたかいの歴史と同義だ。その解明と治療に向けて,多くの科学者の努力がある。必死に探る姿から,目の前の病人を救いたいという思いが伝わる。栄誉欲による探究のものもあるのだろうが,それを感じさせない献身的な取り組みがある。

ただその一方で,今から考えると人権を損なうような研究方法もある。また,多くの犠牲の上に,研究の成果があることも事実だろう。

いわれのない差別も,感染症には多くあった。特に,ハンセン病については,日本では2008年まで隔離政策が続いていた。はじめは未知のものに対する恐怖心から,それが徐々に固定化していく。現在でも,エイズなど新しい感染症に対する偏見はなくならない。また,新型インフルエンザに対する世の中の反応でも,そのようないわれのない差別が見え隠れしている。何と愚かなことだろうか。

また,これらの病原体を使った生物兵器の開発,実験が行われている。自らを犠牲にしてまでも,病気の解明や治療法の開発に力を注ぐものがいる一方で,その知識を使って人殺しを考えるものもいる。人類の醜い心とのたたかいは,特効薬がないだけに難しい。

間違ったことを繰り返さないためにも,過去の事実を知っておく必要がある。また,未知のものに対する過剰な反応を避けるためにも,過去の感染症の歴史と,それが起こるしくみ,さらに治療法などについて,知ることは大切だと思う。過去の知識があれば,新しい感染症に対しても,冷静に対応できるものと信じたい。
壮大なタイトルの割には内容がやや薄い ★★★★☆
 太古から人類を苦しめてきたさまざまな感染症。その発見、人類の戦いを振り返る。
 科学的な体系が確立していなかった紀元前から人々を恐れさせていた感染症に挑む細菌学者たちの歴史が綴られている。それなりに興味深い内容ではあるが、『細菌と人類』という壮大なタイトルにしては内容がやや薄い印象。サラッと流されてるかな、という感じ。もっと専門的で突っ込んだ内容でもよかった。
小中高生への贈り物に ★★★★☆
 本書には様々な病気ごとに、文字どおり命を張って研究をした先人たちの偉業を、ほぼ余すことなく紹介しています。ほぼまんべんなく紹介しているので、個々についてはそれほど深く掘り下げられていませんが、それは仕方のないところでしょう。個々の業績に興味を持ったなら、それを調べてもっと深く理解すればよいし、また、そうすることが著者の希望かも知れません。

 その病が細菌が原因と判った時点で、研究者自身一番危険な立場であることはよくわかっているはずなのに、研究を続けるところが偉人の偉人たる理由と思いました。また、訳者の後書きにもあるとおり、私もパスツールの逸話にはちょっと残念の気がしないでもないですが、まあ仕方のないところでしょう。中高生に読んで頂きたいが、小遣いで買うにはちょっと高いかな。プレゼントに良いのでは。星4つです。