ニュージャージー出身のメンバーたちが、シックの「Good Times」のベースラインを用いて、スーパーマンやテーブルの上のまずい食べ物について語ったおかしなリリックでラップした15分のすてきなトラック「Rapper's Delight」。このトラックは史上初のラップ・レコードでも最高のトラックでもないが、パーティーのオープニングにはこれ以上ないくらいもってこいだ。このトラックに続く本作の残りを、雑踏の騒音を詰めこんでごまかすこともできなくはなかったが、シュガーヒル・ギャングには他にもパーティージャムのヒット曲が数多くあり、なかでも耳について離れない「Apache」と「8th Wonder」はすばらしい。そうしたトラックとともに、ヒット曲ではないが楽しいトラックや、フューリアス・ファイブと共演した「Showdown」が本作には登場する。彼らが何を言っているかはたいして重要ではない。重要なのは、彼らが現実に人々を動かし、今でもヒップホップ界最高のエンターテイナーであることだ。（Douglas Wolk, Amazon.com）