未知の世界ニューギニアに向かうヨーロッパ人家族を描いたジョナサン・ウィスの冒険物語を、生き生きと楽しく表現したディズニータッチいっぱいの作品。映画は荒れ狂う嵐の中で揺れる船の上で、一家が命を落としそうになるシーンから始まる。熱帯の孤島にうちあげられた一家は、父のジョン・ミルズが指揮を執り、瞬く間に監房のような孤島を本当の楽園に作り変える。何階もあるツリーハウスは記録的な速さで作られ、水道まで完備されている。船から運んできたパイプオルガンも壊れていないし、立派な庭園にはイングリッシュ・ローズが咲き乱れる。苦難と開拓者の勇気を描いた物語として考えると、全くのファンタジー。エンターテイメントとして見れば、活気に満ちた魅力がある。ダチョウ、シマウマ、ライオン、ゾウが暮らす島は、一番下の息子を楽しませる一家私有の動物園のよう。上の兄たちは、東洋の海賊の捕虜（不屈のセッシュウ・ハヤカワ）を助け出し、さらなる野生の世界を発見する。映画のどこにも危機はほとんどおとずれず、クライマックスとなる海賊との格闘シーンもココナツ爆弾や、非致命的なわながあるだけで、漫画チック。ただ、最後には絶体絶命の瞬間が待っているが。小説に忠実な作品とは程遠いが、みずみずしく美しい映像で、年齢に関係なく楽しめるエンターテイメントアドベンチャーだ。規律正しく心配性の母親役をドロシー・マクガイヤが演じる。(Sean Axmaker, Amazon.com)