フラムは大統領執務室でブッシュと共に働き、エアフォースワンに搭乗して一緒に旅をし、会議や事件のたびに間近に大統領を見てきた。彼は、ブッシュがどのように考えるか―― この保守派の大統領が、宗教、人種、環境、ユダヤ人、イスラム教、そしてアメリカの未来について―― を明らかにしていく。フラムは、最近の政権の中では最も秘密主義の強いこの政権の裏側に私たちを連れていき、カール・ローブ、カレン・ヒューズ、コンドリーザ・ライスをはじめとする大勢のスタッフの素顔を教えてくれる。最も重要なことは、ジョージ・W・ブッシュの変化を描いている点だ。いかにして、暗中模索のままスタートした政権を率いる大統領が、これほどまでに決断力のある、好結果を残した、人気の高い大統領になったのかを語っているのだ。
ホワイトハウスのスピーチライターになる以前、デビッド・フラムは著者として、また政治評論家として、ウォールストリート・ジャーナル紙やウィークリー・スタンダード誌で筆をふるい、強い影響力を示してきた。彼の評論について、ウィリアム・F・バックリーは、「数十年に一度の目の覚めるようなイデオロギー的体験」だと表現している。『The Right Man』の中で、読者は最前列の観客であると同時に参加者でもあるフラムを見ることになる。 レーガン政権当時のペギー・ヌーナン以来、現役の大統領について、ここまで正確に、しかも生き生きと、そして素直な賞賛と洞察を込めて内側から描いた本はほかにない。(Book Description)
--このレビューは、同タイトルのハードカバーのレビューから転載されています。