応援したくなるおはなし
★★★★★
中学生でパパになってしまった静男くん目線の物語。
周りの大人達はこの事態を第三者に委ねる形で解決しようとするけど、静男くんと友人達はお互いの協力関係の中で事態を解決しようとしていた所が印象的でした。
どちらも正しいとは思うけど、自分の責任は自分でしっかりと受け止めて、その上で友人達と協力しあって事態を解決していこうとする静男くん達の前向きな姿に心を打たれます。そして、頼まれるでも無く自然に協力を提案する友人達も立派です。
本来人間って、個々に不足している部分(情報、能力、環境など)を互いに補いあって集団で生きてきたんだよな。って気付かされる。
本来便利であるはずの社会システムや、日々成長し続けるテクノロジーでも、”隣で困っている人を助ける”人間関係を補う事は出来ないんだって思いました。
山本幸久さんの作品にはどれも”愛情”や”優しさ”に溢れていますが、この作品も、”幼い父性”の危うさを周りの愛情がしっかりと支えていく過程が心温まる物語でした。
オススメ!