おうむの夢と繰り人形 (Kindle Single)
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人工知能(AI)が人間の知能を凌駕する「シンギュラリティー」(技術的特異点)が2045年にやってくる、という予言がある。近い将来、人間はAIやAIを搭載したロボットと、どんな関係を結ぶのか? ソフトウエア開発の専門家で、日本SF大賞受賞作家でもある気鋭の著者が鋭く問題提起する中編だ。
時代設定は2023年。IT技術者の山科保は、倉庫に山積みで放置されていた「パドル」をたった5万円で手に入れた。「パドル」は人間の言葉や感情を認識して反応する人型ロボット。大手携帯電話会社が開発し、大ヒットしたが、東京五輪を経て、役割を終えていた。
山科と、シェアハウスで同居している女性・飛美神奈は「パドル」に意外な役割を持たせて見事に再生、事業化に成功する。ベンチャー企業の総務社員だった飛美はロボット事業部の担当役員に昇進、山科も技術フェローとして入社し、二人は「パドル」の会話機能向上に熱を入れるが……。