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内気と不安を軽くする練習帳

価格: ¥1,470
カテゴリ: 単行本
ブランド: 草思社
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   人前で話すのが苦手だという人はどこにでもいる。また、個人差はあるだろうが、誰だって他人から悪印象をもたれるのは怖いはずだ。だが、そうした傾向も度が過ぎると「社会不安障害」と呼ばれる症状になる。重度になると、他者と関わることをおそれるあまり、正常な生活が営めなくなってしまうという。

   本書は、この社会不安障害を克服し、より前向きに日々をすごすための訓練法を紹介する。一般には認知行動療法と呼ばれるものだ。著者はオーストラリアの心理学者で、そのメソッドは一口で言うと、記録と実践のたゆまぬ反復である。まず、自分は社会不安のため何ができずにいるのか、克服したら何が変わるのかを書き出す。ついで日常生活のなか、どんな状況で不安を感じたか、そのとき頭にうかんだことや肉体的反応(赤面や震えなど)を記録する。こうしてありのままの現状把握から治療は始まるのだが、さらにステップが進めば、自分がいだく不安にどのくらい根拠があるかを徹底的に自己分析し、思ったほど悲観する理由がないことを明らかにする。また、極度に失敗を恐れる人に対しては、あえて少しだけしくじりをしてみるといったプロセスも用意されている。

   このように記しただけでもわかるが、著者も書いているとおり、けっして楽な方法ではない。1冊ぶんの訓練を首尾よく完了するのに、半年や1年はゆうにかかるだろう。医師も含め、理解ある協力者の存在も欠かせない。気の長い話に思えるかもしれないが、もともと安易な治療法などが通用する世界ではない。著者の姿勢はむしろ信ずるにたるものだろう。

   われわれを取り巻くストレスが日ごと増大していくいま、いわばだれもが社会不安の予備軍だと言える。本書は基本的に実践治療のため書かれたものではあるが、さまざまな症例がわかりやすくまとめられているので、社会不安障害の入門書としても有効だ。自分は無関係だと決め込んで、癒しやくつろぎへ逃避するまえに、いちどあらためて心のうちを見つめてみるのも意味あることではないだろうか。(大滝浩太郎)

難しい言葉がないのでわかりやすい。 ★★★★☆
難しい言葉がないのでわかりやすい。
他人がそれほど自分のことを見ていないことや自分の気になる行動を他人は気づかないということが書いてある。
トレーニングも何個かあるが、不安に思った出来事を書いてそのときどう思ったか、客観的にみて自分の不安が妥当かどうか確認する感じのものになっている。
毎日日記をつける感じで繰り返しやることが必要なのだがそういうことが苦手な私は続かなかった。
また、最後の方には第3者の目で確認してもらうと良いみたいなことが書かれている。これも適当な人がいないので私には難しい。

練習帳としては難しいが、解説の部分はわかりやすく読みやすい。
内容は間違いなく星5つ、ただ自分にとっては星3つ ★★★☆☆
私はP29からP31に書かれる「本の使い方」が気になったので引用する。
〜前略〜
>この本のやり方をよく読み、自分で自分の「治療者」になる方法を学ぶことは、たしかに可能である。
>しかし、率直に言って、誰の助けも借りずにすべてのプログラムをやり通すだけの意志力をもつ人は、多くない。
>また書かれている内容を、自分の場合にどうあてはめればよいかを正しく判断するのが難しい場合もあるだろう。
>そういった理由から、本気でこのプログラムに取り組もうと思うなら、
>あなた専用のプログラムを作成してくれる治療者を見つけることをお勧めする。
〜以下略〜

えーと、、、そりゃーそうだけど、そういう人が近くにいないし、家族は当てにならないし
治療者を見つける金も人脈もないんだけど、そういう場合はかなり困難ってこと?
ネットとか無料相談の電話とかサークルとかは探せばあります。
ただ対人面で問題があるからなんとかしたい・・・そのために、
カウンセラー(メンター?)行脚というのは必要だけど結構負担になりそう。
と思ってしまったわけです。
ある程度リスクを取るのは仕方ないのですが、本題に入る前にこれだと
「ちょっと無理かも・・」と思ってしまう人もいるはず。

ただ「独りでは絶対無理」とは一言も書かれていません。
プログラムを進めるうちに「治療者」を探すことができるようになればいいな
と思いつつ取り組む必要があるかもしれませんね。
いいと思います。 ★★★★★
原著者のRapee博士は,社会不安障害の認知行動療法の第一人者(の一人)。
科学的な研究もしっかりやっている人なので,言っていることには科学的な裏付けがあると思います。

この本のすばらしいところは,
そんなしっかりした研究者が書いたものでありながら,
「読みやすい」という点だと思います。

「一般の人向け」という目的を考えたら,余計な引用とか難しい用語とかを使うよりは,このほうがはるかに有用。

翻訳もこなれた日本語になっているのがステキです。

「使える」本だと思います。
かなりイイです。 ★★★★★
不安症状に悩む人、「以前はこんなことなかったのに…」と困っている人のために、日常生活に応用のきく内容になっていると思います。

「なぜ自分はこうなのだろう」という視点から心理学やアダルトチルドレン系の本を読むよりも、「どうすればいいのだろう」という視点でこの本を一冊読んだ方が、現実に役に立つ可能性が高いと思います。

「どうすればいいのだろう」の疑問に細かく答えてくれる数少ない本だと思います。
内気と不安を軽くする練習帳 ★★★★★
年中明るい人っていないと思う。「自分」と言う人間と向き合い、
暗くなる時があると思う。そんな時、助けてくれる本です。