父との再会、そして……
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サブリエルは父親探しの旅を続け、古王国の首都ベリサエールへ行きます。そこから冥界へ入り、父親と再会します。父親はサブリエルに果たすべき使命を伝えると共に、娘への愛情を語ります。その後、サブリエル一行と死霊たちとの決戦に臨み、物語の舞台はアンセルスティエールに移ります。下巻では、ヒロインのサブリエルと父親、モゲット(謎めいた猫)、タッチストーンといった主要なキャラ同士の会話を通じて、『古王国記』の核心部分が次々と明らかになります。下巻で私に最初に鮮烈な印象を与えたのは、父親とサブリエルの描写です。サブリエルは父親との再会を果たすのですが、その後の二人のやり取りが余りにも切なく涙を誘うのです。それから死霊たちとの戦闘シーンは熾烈を極め、読者の気分を高揚させます。戦うサブリエルの姿は本当に勇ましげで、読者を魅了します。(戦う女性が好きな人には、たまりません!)タッチストーンの活躍も見逃せません。戦いの中で絆を育む二人は、ついつい見守りたくなります。(二人の絆の描写は恋愛要素ではありますが、あくまで淡々と描写され、わざとらしさもないので、嫌らしさは一切感じさせません)。下巻には目が離せない要素が満載で、上巻を呼んでいる時以上に魂が熱くなります。この作品は、確かに死や死霊といった要素を前面に押し出しており、闇の香りが漂ってきそうな話ではあります。でも、ただ暗いだけの話では終わりません。何故なら、読んでいる間にも読み終えた後にも、生きることへの希望を感じられるからです。(この作品は、生と死、光と闇のコントラストを非常に効果的に用いていると思います)。これは『古王国記』が与えてくれた最大の糧です。この作品には続編があるとのことなので、是非読んでみたいです。続編ではどんな物語が待っているのか、楽しみです。下巻への評価ですが、星五つ以外は考えられません。
やっと出ましたよぉ〜
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ハードカバーは、画も内容も素晴らしいですが・・・高いんです(泣)!
でも、やっと文庫で出ました!嬉しいです!
ついでに、やっぱり表紙が続き画になっています!今度はどういう古王国の風景が見えてくるのか、とても楽しみです!サブリエルの顔も、ちょっと優しくなっていますね。ハードカバーのほうは、どちらかというとしかめっ面・・・って、やっぱり彼女1人が表紙ですか!せめて後ろの表紙はタッチストーンにしてほしかったですが・・・文庫版になってもタッチストーンの影は薄いのか・・・。
内容については、ハードカバーの方を参考にして頂きたいですが、死霊とかゾンビみたいなのが出てくるのに、おどろおどろしいイメージが全く浮かばないのが不思議です。主人公が子供から大人になろうと必死になるイメージのほうが強く感じられるからでしょうか。
ライラエル、アブホーセンも早く文庫化してください!これらはきっと上中下巻になりそうな感じ・・・。