マーケティング関係者だけでなく、多くの企業人に読んでほしい
★★★★★
正直、この本に出会うまでは、The Grateful Deadというのが米国で1965年に結成された伝説的なロックバンドであるというのは知らなかった。そして、このバンドの熱狂的なファンをDeadheadsと呼ぶことも。オバマ大統領、トニーブレア元英国首相、Googleの共同創設者であるラリー・ペイジなどの著名人がDeadheadsだという。この本は音楽業界のマーケティング本ではないし、古きよき時代を回顧する本でもない。The Grateful Deadが彼らのファンに対して実践してきた取り組みが、今日の企業や組織にも求められていることを非常に明快に解説した読みやすい本である。19の具体的な項目を章立てとして、The Grateful Deadの実際の行動を説明し、その内容のエッセンスを抽出し、そのエッセンスから学ぶべき点を解説する。そして、その学習すべき内容を先駆的に取り入れている今日的企業の取り組みを紹介することで、The Grateful Deadの時代と今を結ぶという構成で執筆されている。具体的な例をここで紹介したいところであるが、実際に本書を手に取られてお読みになることをお勧めする。本のボリュームもコンパクトで、かつ豊富な写真も掲載されているので、忙しい方にも是非手にとっていただきたい。