リアルな現場の声
★★★★☆
研究者や役人が書いている最初の2章はやや冗長だ。その一方、著者によって主張に違いもあり、少しチグハグな印象を受ける。
本書の見せ場は現場の声、特に4章の企業人へのインタビューである。場当たり的で常識に欠ける役人が制度を駄目にしかねない現状が窺われる。PFIなどを参考に、より詳細な契約書の作成が必要だろう。
最後の章で取引費用やエージェンシー理論による説明を試みているのは面白い。しかし色々書き過ぎて広く浅くなった観がある一方、ソフトな予算制約のような話が抜けているのは惜しい。